仕事ができるとはどういうことか。それは本当に褒め言葉?

最終更新日 2022-05-20

「あの人は仕事ができる」
「あの人は仕事ができない」

こんなセリフをたまに耳にします。
ただ仕事ができるとはどういう状態なのか、あまりきちんと考えたことがなかったです。
そこでこの記事では、「仕事ができる状態」を言語化してみようと思います。

仕事ができるとはどういうことか。それは本当に褒め言葉?

「あの人は仕事ができるね」と聞いたとき、どういう状態をイメージしますか。
それを考える前に、反対の「あの人は仕事ができない」をイメージしてみます(ネガティブなほうが、想像しやすいと思うので)。

「仕事ができない人」の特徴は、容易に想像できます。
それは指示通りにできない人です。
指示を受けても言われた通りにやらなかったり、不正確だったり、きちんとやっていても遅かったりする人。
つまり作業が不正確で遅い人、これが「仕事ができない人」です。

ではその反対の、「仕事ができる人」とはどういう人か。
作業が不正確で遅いの反対なので、作業が正確で速い人を指します。
指示を与えるとその内容をきちんと汲み取り、正確に速く処理をする。
そんな、いわばスマートな仕事をする人です。

これら「仕事ができる・できない」を図にすると、以下のように表せられます。

「仕事ができる・できない」の4象限
「仕事ができる・できない」の4象限

「正確・スピード」がないと、「仕事はできない」と言われる

これで「仕事ができる」を言語化できました。
では次に、こういう人はどう思いますか?

アイディアが豊富で、そのひとが思いつくものの多くがヒットする。
また視点が鋭く、そのひとが文章を書くと多くの人から注目を集める。
こういう人も、「仕事ができる」に入るでしょうか。

もしこういった人たちの作業が正確でなおかつスピードも速いなら、「仕事ができる」と言われそうです。
その反対にいくら斬新なコンテンツを生み出せても不正確でスピードが遅いと、「ユニークだけど、仕事はできない人」と言われると思います。

最も仕事ができるのはコンピュータ

ここまで考えてみて「仕事ができる」とは、「作業が正確で速い人」とわかりました。
するとひとつ、疑問が出てきます。

作業が正確で速いものといえば、コンピュータが思い浮かびます。
コンピュータはプログラミングとデータを与えれば、文句一つ言わず淡々と実行します。
疲れ知らずで、作業スピードは落ちません。
プログラミングが適正であれば、ミスもゼロです。

そうすると最も仕事ができる人とは、コンピュータということになります。
「仕事ができる人といわれたい!」と思っている人は、「コンピュータと呼ばれたい!」と思っているのでしょうか。

なんか違う気がします。
なぜなら、だったらコンピュータにさせれば話は早いからです。

多くの人が「仕事ができる人」を目指しているが

書店に行くと、仕事の効率化の本がたくさん置いてあります。
仕事に関係するガジェット類も、基本的には効率化を目的にしています。
つまり多くの人が、「仕事ができる人」を目指しているわけです。

しかし「仕事ができる」イコール「コンピュータ」であれば、すでに高性能なものが世の中にたくさん出回っています。
作業の正確さや速さをコンピュータと争っても、絶対に勝てません。

なので「仕事ができるの領域」はコンピュータに任せ、人間はそれ以外のことに注力したほうが合理的に思えます。

「仕事ができる」とは、褒め言葉ではなく皮肉になる

「仕事ができる」とはどういう状態かを考えていくと、それは褒め言葉ではないのではないかと思えてきました。
「あの人は仕事ができる」とは、「コンピュータに代替可能なレベルの仕事しかできない」といわれているのと同じ。
そのうち「仕事ができる」は褒め言葉ではなく、皮肉になるのではないでしょうか。

納期を守ったり誠実に仕事に向き合ったりするのは、まあ社会人として当然です。
でも「仕事ができる状態だけ」を目指してしまうと、将来的に自分の居場所がごく限られてきそうです。

「仕事ができる人」の意識から離れる

新入社員として会社に入ると、ともかくまずは「仕事ができる状態」へと訓練させられます。
作業を正確にやったり速くやったりできないと、会社全体が機能不全におちいります。
そのため新社会人を「仕事ができる人」に仕立て上げるのは、理にかなっています。
しかしその意識が植え付けられると、いつまでも「仕事ができる人」にこだわってしまうかもしれません。

どこかのタイミングで「仕事ができる人」から意識を離し、自分にしか(つまり人間にしか)できないことを積極的に探したほうが良いな、そんなことを「仕事ができる」を考えながら思った次第です。