スラムダンクの名台詞

スラムダンクをご存知でしょうか。1990〜1996年までの間、週刊少年ジャンプで連載されたバスケット漫画です。まったくバスケのできない素人の主人公が、並外れた身体能力を武器にバスケに熱中していきます。

その成長していく過程ももちろんおもしろいのですが、登場人物の口から語られる言葉にもぐっとくるものがたくさんあります。中でも有名なのは3Pシューター三井と顧問である安西先生との絡みで生まれた、

「あきらめたらここで試合終了だよ」
「安西先生…!! ……バスケがしたいです」

の2つだと思います。

山王との試合で負傷した花道が安西先生に言う、「オヤジの栄光時代はいつだよ…。全日本の時か?オレは今なんだよ!!」もかなりいいです。今書いていても胸熱になります(スラムダンクを読んでいない人にはまったくわからないことになっていますが、構わず続けます)。

ただ個人的にお気に入りなのは別にあります。それは、ライバル校・陵南のエースである仙道の口からチームメイトに告げられる言葉、「まだあわてるような時間じゃない」です。

バスケというスポーツはサッカーやホッケーと同じく、時間制限のあるのが特徴です。インターハイ予選の湘北×陵南。ゲームの終盤になって、流れがどんどん湘北に傾いていきます。残り時間が少なくなっていき、チームメイトは浮足立ってさらに点差がつけられるという悪循環に陥っていきます。そのようなbadなチーム状況の中、仙道が放ったこの一言によりチームメイトは平静を取り戻します。

この言葉、想像してみるとわかりますが、混乱している状況の中ではなかなか言えません(実際に言っているのは漫画ですが)。状況を打破するために取り繕って言うことはあるかもしれませんが、それではやはり見透かされてしまいます。本当に「まだあわてるような時間じゃないんだ」と信じているからこそ、相手の心に響くのです。

誰しも仕事で一度に色々なことが集中して混乱することがあると思います。ともかく速くやらなきゃと、どんどん行動のギアを上げていきがちです。しかしそんなときは仙道の言葉を思い出し、「いや、ちょっと待て、まだあわてるような時間じゃないだろう」とあえて行動をゆっくりとさせることにしています。行動をゆっくりにすると、徐々に気持ちも落ち着いてきて、段取りで速く終わらせられないかと頭が働いてきます。

きっと行動を速めて急いでやったとしても、せいぜい短縮できるのは2、3分です。20、30分変わるのであれば喜んでチャカチャカ動きますが、そのくらいの時間を短くするためにミスするリスクを高めるのはどう考えてもコスト高です。それに急いでやるとどうしても細かい部分にアラが出ます。提出した直後は事なきを得たとしても、細部の粗さが自分の仕事の印象として残ってしまいます。長い目で見ると、それは自分にとって大きなマイナスです。

時間がなく焦ってしまっているとき。そんなときは仙道の落ち着いた表情を思い出して、まだあわてるような時間じゃない、と声に出してみるのをおすすめします。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です