香港一人旅 1-5 スターバックス

2015-02-09 21:33

香港の旅行記の5回目です。

 

1〜4回目は香港一人旅 archivesからどうぞ。

 

* *

 

いよいよ空港を出て香港の街なかへと出発である。電車はしばらく地下をくぐった後に地上へと出て行った。幹線道路と平行して走ったかと思えば、海沿いに出て、程よい大きさの緑の丘が連なり、高層階のマンションがその間に立ち連なっている。

 

15分ほどで九龍に到着した。ドアが開くと東京の山手線の停車時に似た音楽が流れた。液晶モニターに広告が流れるなど電車の雰囲気も日本に似ているように思った。駅に降り立ちそのまま人の流れに身を委ねて上階へと上がっていく。階上はそのままショップが立ち並んだ商業施設へと変わっていった。小奇麗な通路にブランド店が続いている。ここは香港だよね?と自問するほど日本そっくりだった。

 

一度、外へ出てみたいと馬鹿でかい吹き抜けのエスカレーターを上る。

 

 

150203-1

 

 

外へ出るとそこは公園になっていて、四方には高層マンション群が立ち並んでいる。いやまあ、確かにすごいのだけれども、なんだか特に惹かれる景色ではなかった。近代的な建物って、東京いけば見れるよね。とそこそこに写真を撮って辺りを徘徊するも、建物の前には警備員が立っていて高層マンションには入れそうもない。

 

 

150203-1-2

 

 

ショップを見てもしょうがないし、高層マンションには入れないし、なんだかおもしろくなくなり旅で高まっていたテンションが下降する。スマホを見るといくつかメールが入っていたので、どこか休めるところに入って差し当たっての仕事を処理してしまおうと思い立った。もう一度ショップ街に入ると、吹き抜け越しの目立つ場所にスターバックスが見えた。そこを目指して歩いて行き、カウンターでラテを注文して空いていた二人がけのボックス席に腰掛ける。

 

警備員がいるマンション群といい、小綺麗な商業施設といい、どうやら九龍は富裕層が住む街のようだった。スターバックスにいる人たちも身なりのいい人ばかりだった。バックパックを担いでラフな格好をしているのは自分ぐらいのものである。

 

Macを取り出してiPhoneからテザリングでネットに繋げる。制作しているウェブサイトについて、崩れている部分の修正依頼が来ていた。Macのブラウザでは表示崩れを確認できなかったので、Internet Explorer特有のものと推測する。日本でがんばっていただいているデザイナー先生にフェイスタイムで電話をかけ、Windowsで表示を確認してもらい、ついでに直したファイルを送ってもらう。

 

「香港、楽しい?」
「うん、まあ」
といったやり取りで電話を切る。

 

届けられたデータをテストサーバーにアップしてその旨を先方に伝えると、問題ないとの回答がすぐにきた。日本からの修正依頼を香港で受け取り、それを日本にいるデザイナーに直してもらって香港へ送ってもらい、さらにそれを香港から日本のサーバーにアップして、日本にいるクライアントに確認してもらったわけだ。なんだか物理的な距離と電波のスピード感が自分の中で噛み合わずに違和感を持った。この距離を越えたスピード感がノマドワークという存在を可能にしているわけだね。

 

他にもきていたメールに返信をして、ラテの残りを飲む。いや、まあ、実際スターバックスはすごく落ち着くのだけれども、それは日本にもあるナショナルチェーンだから安心できるのである。自分は香港にまで来てスタバで「落ち着くわー」とラテ飲んで、一体何をしているのだ?隣から聞こえる広東語を耳にしながら、しばし考えてしまう。

 

そのとき不意に、「香港映画の『恋する惑星』に出てくる、すごく長いエスカレーターはこの近くなのかな」と映画のシーンが思い浮かんだ。なんだ、行ってみたいところがあるじゃないか。映画の中でフェイ・ウォンが何度も行き来していたエスカレーターに乗ることにしよう。

 

そう思うとラテを飲み干してスターバックスを後にした。香港は行く場所ごとに見掛けるぐらいスターバックスが多く存在していたが、入ったのは結局この一回きりであった。

 

 

150203-1-3

 

 

iPhoneで「香港 長い エスカレーター」で検索を掛けて、場所の地図を表示する。香港駅と中環駅の両方から行けるようだが、どちらで降りるべきなのか。早速、駅の案内所へと行き、iPhoneを見せながら“I want to go to this place.”と必殺のフレーズを繰り出す。「香港駅で降りれば行けるよ」といった感じのことを言われ、再び電車に乗ることにした。(続く)

 


Category:

tags:



«
»