香港一人旅 1-9 ホテルにて

2015-02-14 21:39

香港の旅行記の9回目です。

 

1〜8回目は香港一人旅 archivesからどうぞ。

 

* *

 

泊まるホテルは、日本のビジネスホテルを派手な色遣いに塗り直したような感じだった。韓国などにもあるナショナルチェーンらしく、小奇麗な外観と内観でまずはホッとする。

 

ロビーへ歩いて行くと、カウンターに女の子が二人いた。右の人は別の人を接客していたので、左の人のところに行き、“I reserved this hotel.”と話しかけた。するとその子は、「え、この人何言ってるの??」みたいな顔をして動揺しまくっている。え、間違ってるのかな。こういう場合、なんて言えばいいんだ。“This hotel,I reserved.”と先ほどの言葉をただ並び替えただけでリピートする。もちろん通じない。一層の動揺を誘っただけである。

 

左の子は、接客中の右の子に何やら話し掛けた。右側の女の子はどうやら日本語が多少できるらしく、「何ですか?」と聞いてきた。「このホテルに予約しているんだけど」と日本語で返すと、「パスポートを見せてください」とようやく話が前に進む。なんでさっきの英語で通じないんだろうと悩みながら、パスポートを左の子に渡すと“Thank you.”と受け取り、何やら書類に書き込んでいる。「サンキュー」はいつも聞き取れる。うむ。その時、自分の後ろに何人かチェックインの客が列につき始め緊張してくる。

 

しばらくしてパスポートを返してくれ何やら英語で話した後に、“500 dollars please.”と500ドル差し出すように言われる。いや、ちょっと待て、宿泊料なら前払いでカードで払ってるはずだけども。勝手のわからない海外で一人。500ドル出せと言われて急に防衛本能が働く。しかも香港ドルだというのを忘れて、頭の中で米ドルで計算してしまい、いやいや、50,000円も出す理由はございやせん。と思いつつ今から別のホテルを探すわけにもいかず何も言えずに硬直してしまう。

 

女の子からは“Deposit”と単語が繰り返された。デポジット…ってなんだっけ?これまでの人生でおそらく2回ぐらいは聞いたことのある単語である。iPhoneを出して翻訳してみればいいのだが、この時はまったく頭が回らなかった。このやり取りを察知して、右の女の子が接客を中断して自分たちに割って入った。「チェックアウトの時に返しますので、500ドル預けてください」と日本語で教えてくれる。なんだかまったくよくわからないが、ともかく返してくれるのなら、と思って、ポケットの中から100ドル札を5枚取り出した。

 

“Thank you.”と言いながら受け取る左の女の子。その後、“Sign please.”と書類にサインをするように促されて、ようやく部屋のキーをもらうことができた。ようやくである。

 

エレベーターから部屋のある26階まであがり、やっとのことで着いたベッドに腰を下ろす。肩に担いでいたリュックを床に下ろして、iPhoneで早速、Depositを調べてみる。保証金であることがわかった。海外のホテルではチェックイン時に保証金を預けるのが慣習のようだった。

 

まったく今日一日で身にしみてわかったことは、中高で勉強した英語とは何だったのかということだった。英語学習のシステムが悪いだの他人のせいにするつもりはさらさらなく、どんな授業であれ6年間も英語を勉強していて、保証金の単語ひとつわからないというのは一体何事であろうか。

 

これからも海外渡航を続けていくのであれば(続けるつもりである)、話している内容を聞き取るため英語を勉強しなくては。そう誓いを立てつつ、空港での焼きそばから何も食べていないことに気づいたのであった。(続く:まだ一日目が終わりません)

 


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