香港一人旅 3-5 帰国

2015-03-04 8:29

香港の旅行記の26回目です。今回で最終回です。1〜25回目は香港一人旅 archivesからどうぞ。

 

* *

 

食事を終えるとお土産物を買うためいくつかのお店を行ったり来たりした。香港ドルの残金は70ドルばかり。すべて使い切りたかったが、20数ドルは手元に残ってしまった。残った紙幣とコインを上着のポケットに押し込む。

 

そこから空港内の電車に乗って、日本行きの便がある出発ロビーへと向った。香港国際空港はアジアのハブとして利用されているだけあり、出発口はおそろしく広い。無数にある出発口から毎日、世界中へ飛行機が飛び立っているのだ。だだっ広いフロアで色々な人種の人が行き交うのを見ていると、このまま別の国へ行ってしまいたい衝動に駆られてしまう。が、もちろんまず自分がやるべきは日本への帰国である。乗る予定の飛行機の搭乗ゲートを見つけて荷物を下ろす。

 

周りにはこれから日本へ向かう中国人や帰国する日本人が、旅へのテンションを抑えきれずに話し続けている。日本語を耳にしていると、場所的にはまだ香港にいるのだが、身体の半分は日本に戻ってしまったような気になってくる。

 

そこから待つこと1時間。予定よりも30分遅れて飛行機は出発した。飛行機の窓から見える、遠くなる香港の街並み。次にいつ来れるのか、それとも一生来る機会はないのか。未来のことはわからないがごく短期間でも滞在することができた場所を見えなくなるまで眺めた。

 

関西国際空港に着いてまず行なったのはSIMカードの入れ替えである。小さいビニールに入れておいた日本のSIMをiPhoneにさす。SNSのメッセージから着信を確認して、一つ一つにコールバックした。連絡手段はメールとメッセージアプリが中心になってきたとはいえ、込み入った用件の時はやはりまだまだ電話が使われる。海外にいても日本のキャリアの着信ができるように設定する必要があると感じた。次回の宿題にしておこう。

 

用件をひと通り聞き終わった後は電車に乗って帰るだけである。たまりまくっている仕事を車内で片付けつつ、新大阪駅では焼き肉弁当みたいなやつを買った。これが本当に美味しかった。日本は食べ物がおいしい。焼き肉のタレがほんのり掛かった米粒。その一つ一つを味わいながら改めてそう思った。

 

途中で滋賀県のどこかで事故があったらしく、列車は定刻よりも7分ばかり遅れて運行していた。電車では何度も何度もアナウンスが流れ、7分遅れることに対しての謝罪を繰り返した。これが今の日本なんだな、良くも悪くも。弁当の美味しさとクレームに神経質になる部分は、同じ根っこでつながっているのだ。

 

 

ようやく旅行記が終わる。こうしてキーボードを打っているすぐ目の前には、使い切れなかった香港ドルである20ドル紙幣一枚と2ドル硬貨、50セント硬貨が置いてある。これは40歳を越えてから海外へ一人旅をした証である。

 

パソコン一台とカメラ一台があれば、どこにいても仕事ができる。今日からでもいまこの瞬間からでもどこへでも行ける。行けないと思うハードルは自分の心が作るのだ。変化することを恐れないように、変わることにワクワクできるように。残った香港ドルはいつまでも机の上に置いておこうと思っている。さて次はどこへ行こう?(おしまい)

 


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