エッセンシャル思考

2015-04-16 7:45

何事においても「研ぎ澄ましていく」というのが好きである。要らないものをどんどん捨てて、身軽になって、物事をシンプルにしていく。そうすると何が自分にとって重要なのかがわかってくる。単純な話、最後まで手に残っているものが自分にとって一番大切なものなのだ。

 

新しいカメラを買ったとしても古いものはストックしておかない。後腐れなくさっぱりと新しいものに切り替えていく。洋服を買えば、その分だけ洋服を捨てる。パソコンもスマホもそうだ。

 

普段、完全にこういう風にしたいと思って生活しているが、それでもいつの間にか余分なものというのは増えていくものだ。それはモノに限ることではない。習慣もそうである。最近、何回か書いているけれども理由もなくつい癖で見てしまうスマホの画面は、自分にとってかなーり余分な習慣である。

 

こういった考えを奨励している本に出会った。グレッグ・マキューンというシリコンバレーでコンサルタントをしている人が書いた、「エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする」である。

 

エッセンシャル(essential)とは、「欠くことができない」「必須の」という意味である。すごくざっくり本の内容を書けば、「自分にとって本質となる大事なこと以外は、すべて無駄な時間だから捨てろ」といったところだ。その思考の根幹を、ディーター・ラムスというインダストリアル・デザイナーの用いた「より少なく、しかしより良く」という言葉を何度も引き合いに出しながら説明している。

 

この本はまあ読んでみればわかるが、本質を得るためとはいえかなり極端な考え方と行動を促している。しがらみに流されることなく、悪い習慣を繰り返すことなく、不必要と思われるものはどんどんと切り捨てろと。おそらく自分を含めて大部分の人は、そうは簡単に捨てていくことはできない。自分の持ち物であればまだしも、人間関係に関することであればなおさらだ。多数が在籍する組織に所属していれば、その調節に苦慮している人もたくさんいるだろう。

 

そのことを著者はもちろん理解しながら書いている。本の終わりでは完全なエッセンシャル思考にならずとも、自分の中心をそこに置き、徐々にその領域を広げていけばいいと締めくくっている。なかなか全体を通しておもしろい内容の本だった。

 

自分の好きな言葉に「思考停止」というものがある。この言葉を編み出した人はすごいと思う。救われるワードの一つだ。行動を起こす時に、「思考停止になってないか?」と一瞬思うだけで、自分の考え方を精査することができる。研ぎ澄ましていくことが好きではあるけども、余計なものを抱えていないか? 無駄なルーチンをしていないか?思考停止になっていないか?この本はそんなことを改めて考えるきっかけになった。

 


Category:映画・音楽・本

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