安心感がモチベーションになる

先日、昼どきに国道を走っていて、どこかで昼食にしようと目についたラーメン屋に入ることにした。

駐車場に車を停めて財布やスマホやらを探していると、お店に入った人たちがすぐに出てくるのが見えた。一組だけならまだしも、しばらくして入った別の一組もすぐに店から出てきてしまっている。どうやら店内は満席で、別の店にしようと諦めて出てきているようである。ラーメンなどすぐに食べ終わるのだから、ちょっとの間待っていればいいのに。

歩いている時には基本的に行列を作っているお店には入らないのだが、車の場合はすでに駐車場に停めてしまっているので満席だからとまた車に戻ってエンジンを掛け発進するのが手間である。そう思いながら店内のドアを開けた瞬間に、「これは厳しいな」と思ってやめることにした。

待合のスペースはあるのだが、それはレジ前のごくごく狭いところになっていて、7〜8人くらいが列を作ることもできずにわらわらと佇んでいる状態なのである。人員が足りていないのか、店員さんもそれらを整理しようという気配を見せず調理や配膳に追われている。

待っている人がたとえ多くてもきちんと列ができていれば、取りあえず今いる人の分だけ待てば自分の番になるという安心感がある。しかしそもそも列ができていないのであれば、待つ労力に加えて「果たして自分の番は正当に来るのか」という不安感が出てくる。おそらく待つことよりもこの不安感にコストを感じて、みんな諦めて出ていったのではあるまいか。というか自分の場合はそうだった。

ボックス席をひとつ潰してきちんと並べるようなスペースを作るのと、今のまま客が帰るのはしょうがないとするのでは、売り上げはどのくらい変わってくるのだろう。おそらく列を作れるスペースを確保したほうが良い結果は出ると思う。列を成していないカオスの状況を思い出すと、自分はその店に再び行こうとは思えない。すぐに出て行った人たちも同じ思いではなかろうか。

そういえば昔ダイニングバーみたいなところでホールのアルバイトをしている時、満席だからと帰りそうな客を放置していたら、オーナーから怒られた覚えがある。

「いやしかし、満席だからしょうがないでしょう」と言うと、「空いたらすぐに電話しますからと言って、携帯の番号を聞かんかい」とのこと。実際電話番号を聞いて席が空いてから電話を掛けてみると、ほとんどの客は戻ってきてくれた。その分の売り上げは損失せずに済んだので、こういうやり方があるのかー、と当時はとても関心したものである。

電話を掛けた人たちが来てくれたのは、「そこに行けば必ず席は確保されている」という安心感を得たからだろう。暇な時間帯ならまだしも、どこもが混み合っている状況であれば、安心感というのはその店を選択する大きなモチベーションになるのだ。

Scroll to top