「仕事術」とは、楽しくない仕事を処理するために存在している

本屋へと足を運んでみると、仕事術に関する本がたくさんある。

その手の本が本屋に多いということは、仕事に関して悩んでいる人が多いのだ。なおかつ解決策がたくさんあり、「これだ」という正解がないということである。

例えばマルチタスクという仕事のやり方がある。

一つの仕事に1点集中せずに、同時進行でいくつかをこなしていくという仕事法だが、これについてもそれこそ意見は様々で、いろんなことを同時進行してマルチタスクを採用すべきという人がいれば、いやいやそれはだめだ、一つのことに集中しなくてはならない、という人もいる。

しかもどちらもが最もらしい理由を並べてあるので、さてどっちを信用するべきか、と悩んでしまうところである。

それで自分の場合を考えてみると、ものすごく集中して作業している時には当たり前の話だがマルチタスクにはならない。割り込みのものが入ってきたとしても(電話やメールなど)後回しにするくらい集中力にパワーがある。

しかしどんな仕事であってもその集中力を発揮できるかといえばそうではなく、やはりその状態になるのは自分がやりたくてやりたくてしょうがないコトをやっているときだ。

かたや、やりたくない仕事というのも存在する。自分の場合はその典型が確定申告の書類作りだけれど、そういうものをしているときには喜んでマルチタスクを受け入れる。別の用件が入ってくれば、嬉々として放り出してしまう勢いである。

つまり、マルチタスクが良いかどうかという議論は自分の場合、「やりたい仕事とやりたくない仕事の割合はどのくらいなのか」という問題へとつながる。その問題をテクニックで補おうというのが仕事術なのであるから、解決しようという方向性のステージが異なっているといえる。

こうして考えていくといわゆる「仕事術」というのは、表面的な問題でしかないという思いがしてくる。

いやもう一歩踏み込めば、「仕事術」は嫌な仕事をどう乗り切っていくか、そのためのテクニックということになるのではないか。なので自分にとっての理想は「仕事術」には頼ることなく、毎日ガシガシと好きな仕事だけに没頭していくということになるであろう。