基本は汎用性を持たせるためにすごく大事

これまでの人生を生きてきておそらくほとんどの人が、「基本が大事」という言葉を聞いたことがあるだろう。自分も最近特にそのことを感じている。

もう少し言葉を足してみるなら、「汎用性を持てるよう、基本こそをしっかりと身につけるべき」だと思っている。

汎用性とは、一つの物事が幅広い分野に通用するという意味である。

ある分野の根幹となる基本をしっかりと身につけることによって、他の分野でもそれを活かせるようになる。そういう意味で、基本こそしっかりと習得するべきだと思っている。

小手先のテクニックや使う道具の操作方法ばかり熟練していったとしても、それはニッチな市場でしか適用できないスキルとなる。

例えばカメラの撮影がある。基本となる部分は、構図とピントと露出である。特に構図に関しては、「美しい」と感じるものはこれからも変わらないと確信できる。

最も美しいとされる黄金比という比率があるが、これは紀元前の古代ギリシアで誕生したと言われる。2000年以上前に編み出された技法が今でも主流となって使われているのだ。

人間という種族の脳みそがそっくりそのまま入れ替わりでもしない限り、これからもその美しさが損なわれることはないだろう。

なので、カメラをはじめて手にして興味を持ち、その技術をきちんと習得したいと思ったとすればカメラの操作方法など二の次である。

構図こそしっかりと習得すべきだ。基本となる構図を身に付ければ、それは動画やデザインなど様々な分野に汎用できる技術となる。

しかし自戒を込めて書くけれど、一眼カメラを手にして間もない人は、どうしてもカメラの操作方法に目が行ってしまう。

撮影中にずっとカメラの設定をいじっている人を見掛けたことはないだろうか。それは何を隠そうかつての自分なのだが、ひとつのブランドのある機種に特化した操作方法に対していくら学習を重ねたとしても、それはそのブランドと機種に対して「だけ」のスキルの洗練にしかならない。

それよりも操作方法に不安があるなら潔く全部オートにしてしまって、目の前にある被写体をどういった構図で収めるか、どこにピントを合わせるか、露出をどの位に決めるか、それら基本となること「だけ」を考えるべきなのだ。ということを改めて思いつつ、撮影をがんばろう。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。