CDは将来、コレクターやマニアだけのものになる

先日、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの新しいアルバムが発売になった。もうファンになってから長い年月が経ってきているので、さすがに発売してすぐに手に入れるとかAmazonで予約注文するとかはしなくなった。

レンタルが出た頃に借りに行こうかな、と考えていたところボーカルのゴッチがTwitterで何度も自画自賛しレコメンドしているのを見て、「そこまで言うなら聴いてみるか」と買ってみる気になった。

iTunesでダウンロードしてしまえばすぐに聴くことができるけど、まあせっかくなのでCDで買おうかなと考えた。ジャケットワークも見てみたいと思ったのだ。

Amazonで注文すれば届くのは明日になる。せっかくなら今日手に入れてクルマの中で聴きたいと考え、街中にあるCDショップを頭に巡らせてみたが、「あれ、CDショップってどこにあったっけ」とすぐに思い出せなくなっていた。金沢でもいくつか行ったことのある店はあったが、それらは確かすべて閉店してしまっている。一番通っていたタワーレコードのあったビルは取り壊されてしまった。

そういえば、最後にCDショップでCDを買ったのはいつのことだったろうか。iTunesではそれなりの頻度で買っているし、2年に一回くらいの割合でAmazonでCDも購入している。リアル店舗であるCDショップに行ったのはいつだったろう。

10年くらい前に行った記憶がかすかにあるので、ひょっとしたらそれが最後なのかもしれない。

どうして行かなくなったのか。先日の書店の話と同じく、ダウンロードサービスやAmazonから手軽に買えるからというのがある。

本の場合は書店にふらっと入ってなんとなく気になった本を、ぱらぱらと中身をちら見して買ってみるという行動ができるけれど、CDは中身を開けてちょっと聴いてみるということができない。試聴したければYouTubeを開いて音源を探すというのが主流であろうし、そこで気に入ればわざわざCDショップへ足を運ばずに、ネット上のサービスから手に入れてしまうだろう。音楽というのは、あまりにもネットとの親和性が高いのだ。

自分も結局は「CDを売っているところを探しその場所まで行って購入する」というのがとても億劫に感じてしまったため、iTunesでダウンロードすることにした。30秒も掛からずにクルマの中にはゴッチの歌声が聞こえ始める。うーん、便利すぎる。

3年ぐらい後のクルマには、CDを聴くコンポ自体がなくなるのではないか。下手するとCDは一部のファンやコレクターだけが求める、マニアックな存在になるのではないか。

おそらく自分が十代の頃に音楽に熱中したのは、CDという物理的な存在そのものが好きだったからだと思う。好きなアーティストのCDを買った時には、帰りの電車で封を開きブックレットを開いてみるだけでとても幸せな気持ちになれた。これからはそういう体験をしようにも、そもそもCDを買う場所そのものがなくなっていくかもしれない。

と、そんなことを思いながら、アジカンのニューアルバム「Wonder Future」。本当によいバンドだなーと改めて思いながら聴いています。おすすめっす。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。