ネットが好きな理由

インターネットが登場しておそらく最も効率的になったことの一つは、調べ物ではないかと思われる。何か知りたいことが出た場合、インターネット以前であれば、

1 身近な人に取りあえず聞く
2 専門機関に電話してみる
3 図書館や書店にいって参考となりそうな資料を探す

といったあたりを選択するしかなかった。

昔は一番精度が高く時間的なコストも掛からないので、よく2の専門機関へ電話してみるという方法をとっていた。

例えば時計についての文章を書いていて、わからない部分が出てきたとする。時計カタログの巻末などに載っている専門機関に電話をして、「◯◯について知りたいことがあるのですが」と話してみるのだ。すると質問の担当者みたいな人が電話口に出て、色々と話してくれるのである。

身分を聞かれればもちろんきちんと答えるが、大概は詮索などされないままに専門的な質問についての答えだけをすらすらと話してくれた。興が乗ってくればこぼれ話的なおもしろいネタが出てくることもあった。そのたびに、さすがプロは違うなーと感心したものである。

しかしこれはもう15年くらい前によくやっていたことで、インターネット登場後は基本的にネットから調べるようになった。ネットで調べ物をするという行為に信頼を置いていない人というのは、一定数おられると思われる。玉石混交の世界なので、書いてあることがウソなのか本当なのか鵜呑みにできない部分はもちろんある。

あるのだけれど、ここ数年は下手なキーワードを入れない限りは、有益な情報が上位にきちんと来るようになったと感じる。

その大きな分岐点となったのは、2012年4月に実施されたグーグル検索のペンギンアップデートだったように思う。ペンギンアップデートでは、膨大な量の被リンクを有料で買ってつけているサイトが一斉に駆逐されることとなった。

このアップデートの効果は絶大だったようである。その直後に色々な記事を拾って読んでみると、無料ブログを大量に作って被リンクを自力でつけてサイトを上位に押し上げていたアフィリエイターなどは、売り上げが一気に落ちてしまったようだ。

まったく余談だけれど、このアップデートのときに自分たちのウェブサイトは急に検索上位へと上がった。このころはSEOについての知識に乏しく、どうして順位が変動したのかわからなかった。その後色々と調べるうちに、SEOのことをまさに実践で覚えるようになった。

ペンギンアップデートと並びもう一つの大きなアップデートは、日本導入が2012年7月のパンダアップデートだ。このアップデートでは、文章を丸ごとコピペしたようなコピーサイトは評価されないこととなった。

これらアップデートのGoogleの狙いは、はっきりしている。それは内容の充実した信頼性の高いオリジナルサイトを検索上位に上げるということである。

今でもキーワード検索をすれば様々なアフィリエイトサイトが上位に来るが、それらのサイトの内容はものすごくしっかりしている。コンテンツを読むだけで勉強になるくらいである。

ネットの世界が玉石混交でカオスなのは今も昔も変わらないこと。しかし検索の精度というのは日に日に高まっている。外的要因を作ってサイトを上位に押し上げようとするより、単純にコンテンツを充実させることが何よりもの近道だと誰もが気づくだろう。外的なSEOを駆使して上位に上げるというのは、ユーザーにとってもサイト運営者にとっても、結果的に回り道しているに過ぎないのだ。

ネットについて好き嫌いが分かれるのは当然だと思うし、未だに毛嫌いしている人もたくさんいると思う。かくいう自分は、ネットがとても好きだ。こんなに素晴らしいものに出会えて幸せだといつも思っている。そしてその好きだと感じるポイントは、なによりもその「公平さ」にある。

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金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。