漫画「キャプテン」の中の好きなキャプテン

先日、ウェブコンサルタントの永江一石さんのブログを読んでいたら、ちばあきお作の漫画・キャプテンが紹介されていた。「キャプテンかー、懐かしすぎる」と感慨深いものがあり、勢いで全巻をKindleで買ってしまった。今読んでもとてもおもしろい。

キャプテンは1972年から月刊少年ジャンプにて連載が開始された野球漫画である。さすがにリアルタイムでは読んでいないが(まだ自分は生まれていない)、小学生のころ遊びにいった児童館に置いてあったのでよく読んでいた。

この漫画の内容は、中学野球の部活を描いたものである。今で言うとスラムダンクみたいな感じだろうか(全然、今じゃないけど)。魔球や超人的な力で戦うというファンタジーなスポーツ漫画ではなくて、汗水たらして何度も反復練習をして、練習試合をし、その結果の反省会をして、また練習時間を増やしていく。ともかく時間を掛けて少しずつ上達していくという内容となっている。もちろん色恋沙汰など起こらない。そもそもマドンナが登場しないのだ。

そんな派手さのまったくない非常に地味な漫画なのだが、本当にすぐそこの中学校で実際に行なわれていることのようななんとも言えないリアルさがある。この漫画を好きになる人というのは、部員たちに親近感を持ってしまうのがその一番の理由ではあるまいか。

キャプテンというタイトル通り、舞台となる墨谷二中の野球部は、先代のキャプテンより代々任命される個性的なキャプテンがいる。基本的には、そのキャプテンを中心として物語は進んでいく。劇中には谷口・丸井・イガラシ・近藤の四人のキャプテンが登場する。それぞれが自分の持ち味を発揮して部員たちを引っ張っていくのだ。

各キャプテンの特徴を挙げれば、

・谷口は何ごとも諦めない、ひたむきな努力人。

・丸井は激情家。すぐに怒るし不機嫌になる。おだてれば調子に乗る。

・イガラシは理論派で現実家。全国大会優勝のことしか頭になく、
それを実現するために最短で確実な方法を選び突き進んでいく。

・近藤は、なんというか朗らかな人物で後輩に怒ることなどしない。
全員にレギュラーのチャンスを与え、伸び伸びと野球をさせる。

こんなふうに特徴がきちんと描き分けられていてなおかつ本当に身近にいそうな素朴さがこの漫画の魅力である。

それで、子どもの頃にみんなで回し読みをしていると、「どのキャプテンが好きか?」ということがたまに話題になった。ほとんどが、努力をして諦めない谷口を挙げていたように思う。やはり男子は「努力して勝つ」という王道のストーリーが好きなのだ。

その中で自分は激情家の丸井のことを挙げていた。丸井のどういうところが好きだったのか。丸井は4人の中で一番野球のレベルが低い。そのくせひがみっぽくて怒りっぽくて、周りは「まあしょうがないか」と半ば諦めながら丸井についていくことにする。なんだか、その全然キャプテンらしくないところが好きだった。先代の谷口が素晴らしい人物だったこともあり、「キャプテンとはこうあるべきだ」という理想を持っているようなのだが、それでも感情が先走って全然かっこいいキャプテンにはならない。結局、人のせいにして怒ってばかりいる。ダメなキャプテンである。そういう冴えない部分がなんとも「憎めないなあ」と思って好きだったのである。

実際、冷静に考えて丸井キャプテンのもとで野球をしたいかと聞かれれば、「それは無理ですね」となるのだけど。現実的な話はまあ、ともかくとして。

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