フジロックの前夜祭がはじまった(2015年7月23日)

今年もフジロックがいつのまにやらやってきて、キャンプサイトの場所取りのために前日の木曜日に苗場入りをした。

金沢を朝8時に出て、休憩を挟んで現地到着が午後12時30分。キャンプサイトのオープンが12時なので若干、出遅れた感がある。リストバンドの交換所はすでに長蛇の列だった。粛々と列に並びチケットとリストバンドを交換。キャンプサイトに行くと、果たしてまだまだテントの数はまばらで集まりはこれからというところ。それはそうか。今日はまだ平日ど真ん中の木曜日だった。

少し坂を登ったところの平らな場所を無事、確保できた。が、一年ぶりのテント設営で手こずる。周りの人たちも探り探りテントを立てているようで、「これどこに差すのー?」みたいなやりとりがあちこちでしている。おそらく自分と同じように、一年に一度のフジロックのときだけテントを使う人が多いのだろう。

2015年7月23日木曜日。苗場は雨だった。フジロック開催地である苗場スキー場は、会場となる麓でも標高が900メートルある。いわゆる山の天気の部類に入るため雲が多く、基本的には雨がデフォルトの天気となる。なので雨降りは特段珍しいことではないのだが、やはりフェスでの天気は晴れの方がいい。

去年は快挙と言っていいくらいに3日間とも晴天に恵まれた。今年はその反動というわけではないだろうが、雨が多いのかなーと予想する。

13時30分にはテントの組み立てが終わった。テントを立ててしまえば、後は前夜祭が始まるまでやることはない。入場ゲート開場は18時。それまではゆうに4時間ある。車に戻り、Kindle Voyageで本を読むことにした。

その後、18時30分までに2冊を読み終わった。去年はKindle Voyageを持っておらず、時間が空くと見るともなくスマホを眺めていた。Kindle端末を買ったおかげでどこでもストレスなく本を読める。荷物にならないし、軽いデータであれば外でダウンロードも可能。(3G版を買ったので)買っておいてよかったなと改めて思う。

小ぶりながら雨が絶え間なく降っている。その中を入場ゲートへ向かって歩いていく。ゲートの前には記念撮影をする人がたくさんいる。その姿を見ていると、「ああ、フジロックに来たなあ」と実感する。

オアシスではすでに、やぐらを中心にして苗場音頭がはじまっていた。お腹が空いたので、初食事にジンギスカン丼を買う。その名の通り、ご飯の上に焼いたジンギスカンと炒めたモヤシを載せて甘辛のタレを掛けたものである。イメージ通りの味で、まあまあ美味しい。

一緒にハイネケンを買う。美味しい。雨の中だけれど、本当にハイネケンが美味しく感じる。ビールが苦手で普段は率先して飲まないけれど、フジロックで飲むハイネケンはなぜか別格だ。今年もたくさん飲もう。

ハイネケンに口をつけ苗場音頭を聞いていると、なぜかしら「これからも好きなことをどんどんやっていこう」と思った。

ここにいる人たちは(自分を含め)、フジロックに来る以外にも色々な選択ができた。家でゴロゴロすることも、仕事をすることも、誰かと飲みに行くことも。でも雨が降っているフジロックへと自分自身が選んできた。

楽しいことも嫌なことも、すべては自分自身の選択で決まる。嫌だなあと思うことがあるなら、楽しいなと思える時間を自らの選択で増やせばいい。掛けているメガネに雨のしずくがたくさんついて、やぐらの灯がキラキラと目に灯る。今年もたくさんの人を虜にする、フジロックがはじまる。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。