フジロック最終日(2015年7月26日)その2

2015-07-30 7:08

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椎名林檎の開始時刻が近づくに連れて、グリーンステージへと吸い込まれるように人が押し寄せてくる。初日と最終日にしか来ていないけれども、夕方の早い時間帯でこれだけ多くの人を集めたアーティストはいなかった。通路にも人がいっぱいである。

 

さすがのビッグネーム。眼と耳の肥えたフジロッカーも椎名林檎がどういうステージをするのかひと目見てみたいのだと思う。なにより、自分がそうだ。

 

定刻になってまずはバンドメンバーがわらわらと登場。白い衣装に身を包み、ドラム、ギター、ベースにホーン隊もいる大編成となっていた。そこに満を持して椎名林檎が現れる。こちらも白いふわっとした大きめのシルエットのワンピースに赤いリボン。観衆の大きなどよめきの中、その幼女的な出で立ちからギャップのあるパワフルな声量で丸の内サディスティックからステージがはじまった。

 

※セットリストはこちらなどを参照に。

 

日本語歌詞を英訳して歌ったものもあるらしく、その時にはオーロラビジョンに日本語歌詞が縦書で流れていた。総じて昭和のムード歌謡をロックに落とし込んでジャズの風味を足したようないかにも椎名林檎節といった重厚感のある曲が並ぶ。

 

こういった大きなフェスで不特定多数に向けて限られた時間での演奏となれば誰もが知っているような有名な曲をやってしまいがちである。そのほうが断然盛り上がるのだから。

 

それでもファンでない僕に聞き覚えのある曲は、ワールドカップのテーマソングになっていた「NIPPON」ぐらい。盛り上げることよりもフジロックのステージを一つの作品としてまとめてきたという印象を持った。この人は、アーティストだなーと改めて思う。時間を追うごとに暮れていくフジロックの夕刻。その空気に染みこむ、とてもよい時間だった。

 

終わった後にはまたもやオアシスへ行って、ハイネケンを飲みながらプラプラとFMのブースやレッドの辺りを徘徊する。やぐらの前では大道芸の人がマジックショーをやっていた。いつも同じ場所で大道芸の人たちが代わる代わるパフォーマンスをしていて、通りがかりについ見てしまう。

 

僕が一番興味のあるのは、最後の投げ銭を求めるくだりである。彼らの話によると、フジロックからギャラは発生していないという。いわゆるパフォーマンス後の観衆からの投げ銭が収益になるようだ。なのでパフォーマンスをやった後には、プロとしてきっちりと料金をもらいたいところなのである。

 

しかし前払いではなく、見物し終わった後の後払いになるため、プイとそっぽ向かれたらそれでおしまい。しかも日本では路上の大道芸に投げ銭するという習慣がないので、芸に対してお金を払う事自体に抵抗感や違和感があるだろう。そのため優れたパフォーマンスをする以上に、いかに説得力のあるストーリーを作って投げ銭を呼びこむかがそれぞれの腕の見せどころとなるのだ。

 

見た時には初めてフジロックでパフォーマンスをやったという気弱そうなマジシャンの人がちょうどやっていたところ。カードマジックではアタリのカードを口の中から出すという結末で結構驚き、終わった後に500円を帽子の中に入れた。(続く)

 


Category:映画・音楽・本

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