丸亀製麺の誘惑

讃岐うどんが食べられる全国チェーンの飲食店に丸亀製麺というのがある。金沢にもいつの間にか5店舗も進出しており、月に何回かは食べたくなって足を運んでいる。そしてここに来るたびに僕は、「この店を考えた人は天才だなー」と感心するこことなる。

すごいと思う点は2点。まずは打ちたてが食べられるということ。麺類というのは基本的に「打ちたて茹でたて」が美味しいものである。しかしチェーン店であれば工場で一気に作りスケールメリットを出した後に、冷凍したものを各店舗へ運ぶのがセオリーとなるだろう。それをこの丸亀製麺は、オープンキッチンの中に製麺機を導入して客前で自家製麺を作っているのである。

打ちたてなので美味いに違いないのだが、こういう発想をしてなおかつ行動に移すのはなかなかできそうでできないと思う。ヤマト運輸が個人宅配をやりはじめたのと似ているものを感じる。製麺機を導入するコストだけでなく、味にバラつきが出ないようしっかりとしたオペレーションも考えなくてはならない。自分たちの作業効率のことを考えたら「そんなことできるはずがない」と考えにも及ばないはずである。ここでうどんを啜るたびに、自家製麺を導入するまでのその人知れぬ苦労を想像してしまう。

もう一点は、レジまでの道順に揚げ物を並べている点。うどんを手渡してもらった後に「今日はそんなにお腹は減ってないから、うどんだけでいいかなー」と思っていても、レジに着く頃には必ず何かしらの揚げ物を皿に載せている。あわよくばお稲荷さんにも手を伸ばしてしまい、必ず食べ過ぎてしまう。

元々ここのうどんはどれも300〜400円くらいで低価格も売りのひとつ。なのだけれども、揚げ物の誘惑には絶対に勝つことができず、結局はまあまあの金額を支払うこととなる。

どうしてついつい揚げ物を取ってしまうのだろうと考えてみれば、並んでいる目の前で揚げているからである。パチパチと油が水分を飛ばす小気味よい音が耳に入り、色づいたかき揚げなんぞが「揚げたてでーす」の声ととともに出されたらそれはもう取るしかないでしょう。いやほんとに。申し訳ないが、ここをスルーできるほどに強靭な精神は持ち合わせていない。

「打ちたて茹でたて揚げたて」の3つの「たて」を揃えた丸亀製麺、書きながら食べたくなってしまったので、今日はとろたまを食べに行こうと思う。