なぜ新しい道具に手を出し続けるか

先日、Appleが新しいキーボード(Magic Keyboard)と、マウス(Magic Mouse2)、トラックパッド(Magic Trackpad2)を発売したので、すべて購入して試してみることにした。キーボードにしろマウスにしろトラックパッドにしろ、どれもすでに既存のものを持っているのでまあ不必要といえばそうかもしれない。

でも、新しいものを使うことによって少しでも効率が上がる可能性があるとすれば、それは投資するだけの価値があると考える。年に1、2回しか使わないのであればはっきりいって何でもいいが、パソコン周りは1日の大半を費やす重要な部分。そこにはためらわずにどんどん投資することにしている。

しかしこういった考えはここ数年で思うようになったことだ。それまでは慣れた環境のままで変えようとせずに、同じ道具や機能を保守的に使い続けていた。これはなぜかというと、新しいことをすれば、効率が落ちる可能性があるからである。

そして困ったことに、実際に慣れるまでの間は、以前のものよりもどうしても効率は落ちる。慣れてくれば「あ、こっちのほうが結局はいいな」と気づくかもしれないけど、その最初に落ちる期間が悪い経験として記憶に残っていて、「やっぱり慣れたことをやるのが一番」と新しいことをやらずにいたのだ。

この考えが変わってきた理由は色々なことが複合しているのだけど、一つには「Jカーブ効果」という言葉を知ったことが大きい。これは主に経済学に使われる用語で、何かアクションを起こした時には、短期的には予想とは逆の方向へ動くという現象を表した言葉である。最初に落ちてしまった後、弧を描いて上昇の曲線を描くことからこの名がつけられている。

「Jカーブ効果」という言葉を知った時、これは新しい道具を使ってみることにも当てはまると思った。新しいものを使うと慣れるまでのしばらくは必ず生産性が落ちるのだが、これはどんなに素晴らしいものを手に入れたとしても、必ず起こる現象なのだと認識できるようになったのである。

そのことがわかっていれば、新しい道具に対する意欲を落とさずに済む。最初の部分の生産性が落ちきったところで「これはだめだな」と諦めることもなくなるし、それまでに使っていたものより良い道具であれば、そこから弧を描くように生産性が向上すると信じることができる。

ということで、これからも率先して新しいものに手を出して、その使用感などを伝えていきたいと思う。