パン屋選びから仕事の苦しみに関しての考察へ

近くにパン屋が二軒あって、どちらも味はとても美味しい。両方のお店を食べ比べながら通っているうちに、片方の店ばかりに行くようになった。その一番の違いは何かと考えたら、味よりも接客にあると思った。足の遠のいた店の接客が格段に悪いというわけではないのだけど、どこかぶっきらぼうで自分にとってはあまり好ましいものではなかったのだ。

かたやもう一方はかなりフレンドリーな感じで、その店に行くとパンの香りとあいまってとても幸福な気分になることができた。味に大差がないのであれば、後者のお店に行くようになるのは当然のことだ。わざわざ足を運んで少しでも嫌な気持ちになるよりは、幸せを感じられる方を選びたい。

このことは何もパン屋選びにとどまらずに、生活全般、とりわけ仕事の面で言えることだと思う。自分の生活のことであれば、なるべく嫌な気持ちになるところには近づかず、そういったものを視界にも入れずに生きていくことは可能である。

でも仕事となると、この考えに曇りが出てくる。嫌なことであったとしても、「それが仕事というものだ」という一つの常識めいた考えに囚われて、ぬけ出すことがなかなかできない。

ブラック企業が日本の会社の一形態として定着しているのは、この「仕事とは苦しいもの」という囚われが原因ではないか。雇われている方が限界を超えるまで我慢してしまうのである。「若いうちの苦労は買ってでもせよ」とか、「石の上にも三年」といったことわざがそれらの考えをより強固にしているように思う。

自分も会社勤めをしている時には、そういう「常識」に縛られていた。むしろ嫌なことから目を背けて避けている人を軽蔑すらしていたように思う。しかし独立して4年以上が経ち、プライベートも仕事も自分で管理するようになると、徐々にではあるがこの考えが変わってきた。自分で自由に管理できるのであれば、嫌なことよりも楽しいこと、より幸福感を感じられる方へと行動がシフトするのは当然である。

と、こういうことをうっすら考えながら日々を過ごしているとき、ある本を読んでいて心に響くフレーズに出会った。特に深く考えずに手にとった本、「睡眠メソッド100」の一節である。

◇ 以下引用

健康的でシンプルに生きる秘訣は、「やらないこと」を明確にしていくこと。星野リゾートの星野佳路社長が語っていた、印象的な言葉をご紹介します。

1 会いたくない人とは会わない
2 行きたくないところへは行かない
3 やりたくない仕事はしない
4 睡眠は7時間とる
5 スーツを着ない

ああ、これは本当にそうだ、と膝を打った。以前までの自分は、これらすべての逆のことをしていた。今はほとんどこの項目に近いスタンスで日々を送っている。その結果、自分の精神面は以前と比べてどうなったか?ストレスが増えたか、減ったか。幸福感は増えたか、減ったか。

気になる人は、実際に試してみることをおすすめする。おそらく、以前よりも一度きりの自分の人生を大切に思うはずだ。

Pocket

Scroll to top