日本で暮らすと身につく妙な安心感

先日、撮影前に小腹が空いたのでラーメン屋に入った。

撮影と言ってもそれほど大層なものではなく、建物の外観と内観を10カットばかり撮るという短時間で終わる程度のもの。荷物を増やしたくないので、広角レンズをつけたカメラをそのまま小さなショルダーバッグに入れて現地に向かった。

その道すがらにラーメン屋へ寄ったわけだが、車の中にカメラを置いていくのはちょっと気が引けたので、荷物が小さいこともあり店内へと持って入ることにした。ラーメンを食べ終わっていざ再び車に乗り込み撮影現場へと。現場に着いて三脚を立ててから「あ、カメラがない」ということに気づいた。そう、ラーメン屋に忘れていったのである。

ショルダーバッグだけの軽装備とは言え、カメラとレンズ合わせて結構な金額はする。そのままリサイクル店へ持っていけば、なかなかな値段で買い取ってくれるシロモノである。

しかもこの建物だけでなく翌日には一眼動画の撮影が控えていて、そのカメラとレンズのセットはどうしても必要となる。「あー、やってしまったなー」とかなり不安になりながらラーメン屋へと車で15分掛けて戻った。

それでこの記事をご覧の方はだいたい予想がつくと思うけれど、果たしてラーメン屋へ行って忘れたことを告げるときちんとレジの後ろに保管してあったのである。店員さんも自分の姿を覚えてくれていて、特に問題なく受け取ることができた。一件落着である。

これまでに何回も日本で忘れ物をしたことがあるが、戻ってこなかったという経験をしたことがない。一度財布を忘れてお金だけ抜き取られたという切ない思い出があるけれど、それでも財布とその他のカード類は戻ってきた。こういう経験をするたびに、本当に日本はすごい国だなーと関心するとともに、これに慣れてしまうと危険だよなと感じてしまう。

忘れても戻ってくるという変な安心感があるために、荷物に対しての注意力が低下している。それが日常になってしまっているのだ。おそらく海外の人であれば、カメラが入ったバッグを忘れたりしないだろう。高級飲食店ならいざしらず、ショルダーバッグであるならば肩に下げたままラーメンを食べるかもしれない。

いいも悪いもなく環境によって普段の行動が決まるという話なのだが、無事戻ってきてくれたカメラは、二度と忘れたりしないよう大切に手元に置いておきたい。

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