Amazonミュージック登場。音楽の聴き方がどんどん変わる

今月18日、Amazonがプライム会員向けの新しくサービスとしてAmazon Musicをスタートさせた。

Amazonのプライム会員であれば、Amazon Musicのアプリなどを通し、クラウド保存されている楽曲から好きなモノを自由に際限なく聴くことができる。

iPhoneなどの端末に保存して、オフライン時に楽しむことも可能となっている。

これは平たく言えば、Apple MusicのAmazon版ということになる。

Apple Musicは月額980円かかるが、Amazon Musicはプライム会員であれば追加の料金など掛かることなく利用が可能。これは結構インパクトのあるサービスだと思った。

年会費3,900円のプライム会員をどんどん増やして囲い込みをしていこうという施策なのだろうが、「消費者の生活に関わることすべてをAmazonで完結させる」そんなAmazonの執念とも言える意気込みを感じる。

スタートと同時にiPhoneに専用アプリである「Amazon Music」をダウンロードして、ざっと入っている楽曲を調べてみた。

まだまだラインナップは充実していないようで、今使っているApple Musicからすぐに乗り換えようとまでは思わなかった。

アプリのUIも、Apple Musicのほうが洗練されていてオシャレである。しばらくはApple Musicを使い続けて、たまにAmazon Musicの様子を見に行こうという程度の思いとなった。

それにしても、こういったクラウドから聴き放題のサービスがどんどん出てくると、音楽の聞き方がまったく変わったものになっていくるだろうなと言う気が本当にする。

CDショップに行って好みのアーティストのCDを買うという行動は、握手券などの付加価値がつかないと今後ますますされなくなるのではないだろうか。

というよりむしろ、「音楽を聴く」という行動そのものが、それほど熱心にされなくなりそうな気がする。

趣味というのは、多少の面倒さがあったり煩わしさがあったり、金銭的な負荷が掛かるからこそ、そこに時間とお金を掛けて楽しむ気になるのである。

音楽について言えば、その昔はすぐに傷がついてしまうレコードという厄介な媒体が主であった。

音楽好きは、アンプにこだわり、スピーカーにこだわり、レコードにのせる針にこだわり、我が子を愛でるように大切にレコードを扱って一曲一曲を楽しんだのである。

それがCDになったとしても、音楽を聴くために物質的なソフトが必要という面でやはりこだわりは出てくる。

そこにはジャケットワークを見る楽しみが残されていた。盤面に施してあるプリントもアーティストの表現の一つであった。そういう一つひとつを見ながら、音楽を聴くという行為を音楽ファンは楽しんだのだ。

それが今や、クラウドに保存されている膨大過ぎる楽曲数からすれば、ほとんど無料といっても差し支えないくらいに料金的な敷居は下がった。

ジャケットワークも何も、楽曲名のボタンを押すだけで音楽が流れるようになった。

人工知能の発達で、その人の好みにあった曲をコンピューターが勝手に選んでくれて、リコメンドしてくれたりもする。

こちらから前かがみになって音楽を楽しむ必要などすでにないのだ。毎日ニュースアプリから流れてくるニュース記事と同じく、音楽はもう空気のようにそこにあるものになっているのだ。

これは音楽好きな消費者からすればものすごく歓迎できる素晴らしい環境だとは思う反面、こういう状況で今後新しい音楽が生まれるのか。

ビッグデータを活用した、誰にでも愛されるような無難な曲ばかりが出てくるのではないか、そんな不安も多少はする。