台湾一人旅 1-3 台北へ向けて出発

台湾の旅行記の3回目です。

ホテルのチェックイン時刻は、確か21時にしておいたはずである。となると、ホテルのある台北へ後1時間半で着かなくてはならない。

早速、グーグルマップを開いてホテル名で検索を掛ける。すぐにホテルの場所が検索候補の中に表示された。ホッとしながらもホテル名をタップして所要時間を調べる。1時間ぐらいで着けそうである。

iPhoneを左手に持ちながら、空港に隣接しているであろう電車の駅を探す。空港と都市とは電車で結ばれているはずだ、そんな先入観があったのである。

しかしマップ通りに歩いてみるが、電車の駅らしきものは一向に見つからない。ピクトグラムにもバスの表示はあるが電車はない。おかしい。電車はどこにあるんだろうとiPhoneで検索に掛けてみると、どうやら台湾桃園国際空港には電車が乗り付けておらず、バスを使って直接台北まで行くか、もしくはバスで高鉄桃園駅という電車の駅まで移動する必要があるようだ。

そうこうしているうちに時刻は19時50分になった。海外のホテルは、(日本でもそうなのかもしれないけど)チェックイン時刻を過ぎてしまうと、問答無用でキャンセル扱いとなってしまう。そのためチェックインが遅れる場合、自分で電話をかけてホテルへその旨を伝える必要がある。

もちろんここは台湾なので会話は中国語もしくは英語となるだろうが、果たして電話という言葉だけでコミュニケーションするツールで、「チェックインが遅れそうです。◯◯時に変更をお願いします」このくらいのことも無事に伝える自信がまったくないではないか。

ここは何としてもチェックイン時刻までにホテルに到着せねば、と急に焦りが生じてきた。ともかくバス乗り場に行ってみようとピクトグラムの案内に従って空港の地下1階へと早歩きで行く。バス乗り場はすぐに発見できたのだが、大変な混雑である。窓口がまたたくさんあって一体どれを選べばいいのやらわからない。

しかも前払いで乗れる電車とは違い、バスはその土地のローカルルールがある。前払いなのか後払いなのか、はたまた降りる時はどうすればいいのやら。日本みたいにブザーを鳴らすのか、それとも運転手にアピールするのか。そんなことが一気に頭の中を駆け巡って、「あ、おれバス無理だ」とあっさり判断をくだした。

もう一度「台湾桃園国際空港 移動」などで検索を掛けると、空港に止まっているタクシーは国の審査を受けているので基本、安心との記載を発見した。バスを早々に諦めてまたもや1階へと戻り、タクシー乗り場の最後尾へとつく。時刻は20時を過ぎていた。

最後尾につくとバインダーを手にした係員らしきおっちゃんが中国語で話しかけてきた。おそらく目的地を聞いて振り分けているのだろうと予測、“Taipei.”と答えると、すごい勢いで中国語でしゃべってくる。「英語を使って欲しい…」と心で願うが言語を切り替える様子はまったくない。

話していることがこれっぽっちも理解できないので、iPhoneのグーグルマップを見せて、ホテル名を見せてみる。

すると「ふむふむ」といった感じでうなづきながら運転手の一人を呼び、「この旅行者を台北のホテルまで連れてってやれ」みたいなことを中国語で指示している。

しかしこれも、今思えばこういうことを言っていたのだろうと冷静に予測しているだけで、この場では「おれは一体どこに連れて行かれるんだ…」「チェックインに間に合うだろうか」というダブルの不安が心に渦巻いていた。

指示を受けた運転手はにこやかな顔をしながら中国語で話しかけ、タクシーに乗るよう促してきた。もちろん中国語はわからないので、“Thank you.”とだけ言いながらシートに滑り込む。運転手も「あ、こいつ中国語が話せないな」と瞬時に察知したようで、それ以降僕に話しかけることはなくなった。こうして無言の車内の中、台北へ向けてタクシーは発進したのである。(続く)