台湾一人旅 1-4 ナビゲーション

台湾の旅行記の4回目です。

タクシーに乗り込むとすぐに車は発進し、ハイウェイらしき4車線ほどの大きな道路に出た。タクシーはアクセルを踏み込んでグングンとスピードを上げていく。

メーターは初乗りから距離を走るごとにカウントされているので、取りあえずはボラれることはないだろうと予測する。しかし自分はまだ行き先を告げていない。空港で運転手の振り分けをしていた係のおっちゃんにはホテル名を示したが、「果たしてこの運転手はホテルの場所を把握しているのだろうか」そんな不安感が新たに湧いてきた。

そこで開いたままにしてあったiPhoneのグーグルマップの画面を見せ、“This hotel OK?”と後部座席から運転席へと話しかけてみる。

運転手はちらりと一瞬画面を見ただけで、「わかってるよ」といった感じで右手を上げた。その後、カーナビのボタンを軽やかに操作してホテル名の漢字一文字を手書き入力し、表示されたいくつかの候補から目的地である台北のホテルをタップ。瞬く間にナビゲーションをセットした。

1日に何十回とやっている操作なのだろう。淀みというものがまったくない。

その動作を後ろで見ながら「ちゃんと目的地に着けそうだ」という安堵感とともに、ナビゲーションを巧みに操る運転手に対して感心してしまった。

そういえば、日本のタクシーに乗った時にカーナビを操作している人というのは見たことがない。それは「機械などに頼るとお客から舐められる」みたいな職人気質からくるこだわりかもしれないが、乗り込むお客からすれば経験や推測で走られるよりも、ナビを操作してもらったほうが安心な部分があるだろう。

そんなことを考えつつ、ホテルのチェックイン時間を確認しておこうと、Evernoteにクリップしておいたホテルの情報を検索する。

なんと21時かと思っていたチェックイン時刻は22時ということが判明した。そうか、飛行機が遅れたりトラブルがあるといけないからと、少し遅目にしておいたのだった。人間の記憶というのはあてにならないものである。

時刻を見るとまだ20時20分ほど。22時までには余裕で到着しそうだ。ここでようやく力が抜けて、流れる外の景色を見る余裕が出てきた。

ハイウェイに並ぶ照明灯と幾多ものテールランプだけが眩しい暗闇の山岳地帯を抜けると、ネオンが一斉に灯る賑やかな街並みへとタクシーは入っていった。ようやく台北の街並みに辿り着いたのである。(続く)