台湾一人旅 2-4 総統府へ

台湾の旅行記の10回目です。

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中正紀念堂を後にして、次の目的地は歩いて10分ほどにある総統府にした。総統府の建物は、日本が台湾を植民地支配していた際に台湾総督府として使用していたものを修復して利用している。

台湾総督府と言えば日清戦争後の下関条約で台湾を割譲された際に、台湾を統治するための出先機関として作られたものである。

日本史を勉強しているときに習ったのを思い出した。韓国統監府とごっちゃになって、どっちが「総督府」でどっちが「統監府」かわからなくなったものである。こうして海外の地に出掛けて、学生時代に習った場所へ実際に赴くというのは実に感慨深い。

中正紀念堂や総統府のあるエリアは「博愛地区」と呼ばれ、日本でいう霞が関のような中央官庁が密集しているところとなる。さすが総統府近辺の道路はきちんと整備されていて、目にする建物はいかにも官庁的な無個性なものが多かった。

あまり写真に撮りたいものもないなーと思いながら歩いて行くと、
遠くに総統府らしきクラシカルな建築物が見えてきた。

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香港旅行の時には50ミリ単焦点レンズ一本きりを持っていったが、新しく20ミリ単焦点レンズを買ったので台湾旅行にはその2本を携えている。取りあえず総統府は、遠くから50ミリで写真を撮り目の前くらいに近づいてから20ミリで撮ってみようと考える。

しかし近くまで行ってみてカメラを取り出すと、警備をしている人から「やめろ」というジェスチャーをされた。正面の歩道には等間隔に警備員が並んでいて、建物入り口前にライフルを持った軍人がたたずんでいる。明らかに観光地的なほんわかとした空気とは違うため、“OK,OK.”とすぐにカメラをバッグにしまって建物を通り過ぎた。

そこから総統府のフェンス沿いの歩道を右回りに周り、歩き疲れたので歩道のブロックの上に腰掛けることにした。バックパックに入れてあるポカリスエットを取り出して一口飲み、「さて次はどこに行こう」とiPhoneを取り出して見てみる。するとまた警備員らしき人が近づいてきて、「何をしているんだ」みたいな感じでちかづいてきた。

ネット上の情報では総統府は観光地の一つになっていて、平日の午前中は中にも入れるということだったが…。この日はどこかの要人でも来ることになっていたのだろうか。ピリピリしたムードが建物周辺に漂っていた。

こういった場所でおちゃらけたことをすると、本気でしょっぴかれることになりかねない。海外でそういうトラブルに巻き込まれると、恐ろしく面倒なことになるのが目に見えている。絶対に避けたいところである。すぐに立ち上がって総統府を後にすることにした。(続く)