台湾一人旅 2-13 台北夜市の一つ、士林夜市へ

23753733312_9cc8f9a29f_o

台湾旅行記の18回目です。

台湾へ観光に行くとなっていざガイドブックに目を通してみれば、必ず「夜市」というワードを目にすることだろう。

夜市とは何か。ウィキペディアには、「夜市(よいち、よるいち)は、主に中華圏や東南アジアを中心に存在する、夕方から真夜中に営業する屋台、露店、雑貨、売店、移動販売などの集合体である。」とある。

要は日本のお祭りの際に立つ出店が毎日特定の場所に集中している感じ。日本で祭りといえば夏から秋の風物詩というイメージがあるが、さすが南方へ来ると冬でも変わりなく夜の市場は開かれるのだ。

台北では10以上の地区でこの夜市が開催されているが、その中でも最大規模と言われる「士林夜市」へ行ってみることにした。

場所は、ホテルのある中山駅から淡水信義線で4つ目の剣潭駅にある。そのためまずはマッサージを受けた南京復興駅から再び松山新店線に乗り、一旦中山駅に戻ってから淡水信義線へ乗り換えることにする。

電車の中はこれから帰宅する学生たちでいっぱいである。おしゃべりしている若者もいれば、イヤホンを耳に入れたままずっとスマホを見ている人もいて様々。

日本では電車に乗る機会がほとんどないのでひょっとしたら日本の学生もそうなのかもしれないが、電車に乗っている台北の学生たちはYouTubeで動画を見ている人が多いようだった。

どんな動画を見ているのだろうと気になってチラ見してみると、大概はダンスユニットのプロモーションビデオやライブ映像だった。それが台湾のグループなのか韓流なのか、他の国のグループなのかまではわからない。

そういえば僕が学生時代の80年代後半から90年代に掛けては、バンドブームが起こっていた。多くの学生はいずれかのバンドに興味を持ち、移動の際にはウォークマンに好きなバンドのカセットテープを入れて耳からイヤホンをぶら下げて聞いていたものである。

時代や国は変われども、若者は音楽に熱中する時期があるのだ。熱心に動画を見ている高校生風の男子学生を見ながらそんなことを思う。

電車が駅に到着するたび多くの乗客が外へと出ていき、少しまばらになったところで夜市のある剣潭駅に到着した。

電車の外に出ると夜だというのに外の風は暖かく、歩く人の中にはTシャツだけという強者の姿も見える。iPhoneで気温を調べてみると、台北は18度と出ていた。12月中旬の真冬の時季にTシャツ姿の人を見られるというのは、いかにも日本とは気候の異なる海外へ来た気分がして旅情を感じる。

電車を降りた人の群れは駅前の幹線道路沿いの歩道から、明るいネオンが集中している一角へと吸い込まれていっている。そこが士林夜市に違いない。

自分も着ているマウンテンパーカの前チャックを外して、夜風を切りながらネオンへ向けて歩いて行った。(続く)


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。