台湾一人旅 2-15 夜市と日本の市場との違い

台湾旅行記の20回目です。

地元である金沢には近江町市場という、約170もの店舗がひしめく市場があるが、士林夜市はその近江町市場と同じようなイメージの場所だった。

ともかく狭い通路に人がわんさかといる。そのほとんどが自分を含めアジア人である。

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近江町市場と違う点と言えば、店先に並べられている品目があげられる。

近江町市場は金沢港はじめ漁船から水揚げされる魚介類が目玉となっている。11月上旬に解禁となる加能ガニ(ズワイガニ)を楽しみにしている人は大勢いるだろうし、加賀野菜や果物、惣菜、漬物など食材が豊富だ。料理店だけでなく一般家庭の人もその日の食材探しに足を運ぶイメージがある。

これは何も近江町市場に限ったことではなく、日本の市場といえば大概はそういった毎日の食材を調達する場ということになるだろう。

一方、士林夜市はもうちょっとエンターテイメント性が高く、お祭りの縁日のような雰囲気である。日用品や食材探しに来るというより、その場所に来て楽しむことが目的となるようだ。

そのためここに集まる人の客層で一番多く見られるのは若者たちである。20代ぐらいの人が多いようで、中には中学生のような幼い子たちもちらほら見かける。その次に家族連れの層があり、その次になってようやく観光客の層が来る感じだ。

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通常の市場のように魚介類の扱いはあまり見られないかわりに、ダーツや射的、麻雀牌を使った絵合わせなどゲームのできる屋台がたくさんある。

それらは屋台が設けている得点をクリアすれば、景品がもらえるといった趣向なのだろう。ゲーム類の屋台はどれもが満席でその後ろには見物人がでるほど盛況だった。

後は飲食店の屋台も多いのだけど、衣類や雑貨類も多い。日本人が古着屋やフリーマーケットで安く洋服を手に入れるのと同じ感覚で、台湾の人たちは夜市に来て安く衣類を買い求めるようである。

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そうして色々な店を眺めながら歩いたが、何しろ市場全体が大きく全て見て回ろうと思うとキリがない。

お腹も空いてきたので何か食べようかとウロウロしていると、一本路地を入ったところに食堂が目に入った。ずっと歩きっぱなしで疲れてもきていた。その食堂へ入って食事をすることにした。

食堂は店先に厨房を構えるという台湾スタイルのレイアウトである。厨房にいるお姉さんへ一本指を出し、「一人だけど入っていいか」と食堂の中へ指を向けると、「どうぞ」というようなことを中国語で言われ、注文票とペンを渡された。

店内は日本の地方にある、寂れた商店街の一番目立たないところにひっそりとたたずむような、まあはっきり言えば薄暗くてこ汚い雰囲気である。

サラリーマンが一人いて、二皿を目の前にビールを飲みながら箸をつついている。メニューらしきものは注文票のほかない。

注文票の記入は昼食時に経験済みだ。その中で何を選ぶかであるが、ご飯物が食べたいと考えてメニューからそれらしきものを探す。

その中で、「炒」という文字と「飯」という文字の入った一品を発見。これは普通に考えて炒飯(チャーハン)ですよね?

間違ったとしてもそれほど変なものは出てこないだろうと、そのメニューに数字の1を書き、ものすごく不機嫌そうな顔をして店内の隅に立っている店員へと渡した。さて、何が出てくるか。(続く)


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。