台湾一人旅 3-3 河沿いを歩く

台湾旅行記の24回目です。

しばらくして、厨房のお兄さんが両手で恐る恐る器を持ちながら料理を運んできてくれた。期待通り、汁がなみなみと入った牛肉麺である。褐色の透き通っているスープに幅が1センチほどの幅広麺が入り、その上に肉厚の牛肉が5枚ほど乗っている。見るからにうまそうだ。

器に口を近づけて、まずはスープからすすってみる。おいしい。牛肉の味わいと香辛料、野菜の旨みとがしっかりと調和している。

牛肉を一口食べてみる。歯ごたえがありつつも、すごく柔らかい。そしてスープの味がよく染み込んでいる。麺は日本のきしめんに近い感じで味は淡白だった。それが牛肉やスープと一緒にすすると、とてもおいしく感じる。

台湾に来てから高級店などには一度も入らずに、街中の小さな食堂ばかり行っているわけだが、こんなに食べ物がおいしいなら全然台湾に住めると思った。

スープまできれいに飲み干した後に席を立ち、入り口にある厨房で鍋の火加減を見ているお兄さんへ代金を支払った。120TWD(約420円)だった。

とてもおいしかったので別れ際に、
“Very delicious,thank you!”と言うと、不思議そうな顔をして“謝謝”と答えてくれた。料理が美味しいとつい感動してそれを店員へと伝えたくなってしまうのである。

食堂を出てから一旦駅の方へと戻り、河川沿いの道を歩いてみることにした。歩道は幅が5メートルほどもあり、ゆったりと散策できるようになっている。平日の昼前とあって人通りはほとんどなく、店のシャッターも閉ざされていた。

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なるほど、「台湾のベニス」と呼ばれているだけあって、進んでいくとおしゃれな雰囲気のカフェやレストランも見られるようになってきた。店員たちは雨が降らないかと心配そうに空を見上げ、オープンテラスのセッティングを手際よく行っている。

そのそばの歩道を通り過ぎて行くと、道は河沿いから自然に商店街へとつながっていた。商店街といえどすでに駅からかなり離れている場所なので、店の数は少なくなっている。よく言えば、河沿いの道からすぐの閑静な通りといった雰囲気である。

この道を戻れば駅へと帰れるのだが、ただ一周しただけで淡水を離れるのはちょっともったいないように感じる。その場でiPhoneを起動し、「台湾 淡水 見どころ」といったワードで他に見て回るところはないか調べてみる。

メインの観光スポットは河沿いの歩道と商店街の散策となるようだが、もっと奥へと歩いて行けば、紅毛城という古い城があるそうだ。今いる場所からは歩いて10分程度の距離である。

iPhoneの画面をグーグルマップに切り替えて、「紅毛城」と入力。次の目的地に向けて再び歩くことにした。(続く)