台湾一人旅 3-11 九份行きのバスに乗る

2016-01-23 8:34

台湾旅行記の32回目です。

 

忠孝復興駅から九份行きのバスに乗るには、1番出口で降りるのが良いようである。駅のあちこちにある案内板を注意して確かめながら、1番出口の階段を上って地上へと出た。

 

幸い雨は降らずに午前中からの曇り空のまま天気は続いていた。それよりも気温の低下が尋常ではない。忠孝復興駅の外も動物園駅と同じようにかなり寒い。

 

外に出て冷たくなってしまった手をこすり合わせ、九份行きのバス停へと向かった。

 

バス停にはすでに何人かが待っていて、中には日本語で書かれた台湾のガイドブックを持っている人もいた。どうやら僕だけでなくこれから九份へ行こうとする日本人が他にもいるようである。

 

その後もバスを待っているといかにも日本人の観光客一同といった集団がたくさん列をなしてきた。バスに乗るのが心配だったけど、これだけ同じバスに日本人が乗るのであれば、トラブルがあってもなんとかなりそうな気がしてきた。

 

しかし肝心の九份行きのバスが、待てど暮らせどなかなか到着しなかった。サイトなどでは1062系統のバスに乗車せよと書いてあり、バスが到着するたびに正面の電光掲示板に表示されている数字を確認したが、なかなか現れてくれない。

 

日本の感覚であれば遅くとも10分くらい待てば目当てのバスが到着しそうに思ってしまうが、20分待ってもやってこなかった。

 

日が暮れるに連れて気温もどんどん下がっていく。バス停のある場所は大通りに面しているため、目の前を数多くの自動車が通り過ぎていく。それらが起こす風を身体に受けて、一層、体感温度は下がっていった。

 

待っている人もこの気温の寒さと待たされるイライラが限界に来たらしく、九份へ行くのを諦めて列から脱落する人も現れ始めた。

 

僕にしても九份へ行くのをやめようかとほんの僅かに考えもしたが、ここできびすを返してしまえば、後はもうホテルへ戻って帰国の朝を迎えるだけになってしまう。そうなると日本に戻ってから絶対に後悔しそうに思えたので、身体を小刻みにジャンプさせて温めながら1062のバスが来るのを待ち続けた。

 

バス停に着いてから、かれこれ40分以上は時間が過ぎたであろうか。日が完全に落ちた18時前になって、ようやく九份へ走るバスが到着してくれた。

 

もはやバスが来ないのではという最悪の考えも出てきたころだったので、1062の数字を見たときには実際にバスが存在していたことに安堵感すら覚えてしまった。

 

列の前の方に並んでいた僕は、ドアが開くと3番目くらいにデッキへと足を掛けることとなった。念の為、運転手に“Jiufen,OK?”(九份に行くよね?)と聞いてみると、“OK,OK!”と陽気に答えてくれた。

 

あまりにも即座に答えが返ってきたので、自分の話した言葉がきちんと理解されているのか若干、不安になったが、まあここまできて色々考え出しても仕方がない。

 

料金の表示は見当たらなかったが、ネットの情報通りに100TWDの紙幣を料金箱へと入れた。

 

後がつかえていることもあって、5TWDのお釣りは要求しなかった。(もちろん運転手から渡そうとする気配はない)100TWDと言えば、日本円で350円くらいのものである。足りているのであれば、まあ良しとしよう。

 

というよりも、両替機もなく運転手もお釣りを渡さないのであれば、いっそのことバス料金を100TWDにしてしまえばいいのに思う。たかだか5TWD(約17円)であっても「損をした」という印象を持てば、そのことが記憶に残って台湾のバスに対して悪いイメージを持ってしまうではないか。

 

通りすがりの旅行者が考えつくことなので、多くの人がそう思っているのではないかと想像するが、おそらくこの料金と100TWDでお釣りがもらえない状況はいつまでも変わらないだろう。

 

一旦、システムができあがってしまうとそれを覆すのは、5TWDぐらいのことであっても大きなエネルギーを必要としてしまうものなのだ。

 

そんなこんなで乗客がすべて乗り込むと、バスはゆるやかに発進を開始し台北の街を走り始めた。最終目的地九份までは、約1時間のバス移動である。

 

初めて乗る台湾のバスにいささか興奮しながら、窓に流れて映るネオンの景色をぼんやりと眺めた。(続く)

 


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