海外の書籍が、全然違う日本語タイトルを付けられている件

今年が始まってもう1ヶ月が過ぎた。

1年というのは大きな節目であるので、年のはじめには今年やりたいことの目標を作って、あれこれと計画を練っていた。

目標を達成するためには、毎日少しずつでいいからそれに関係する事柄をやっていくのが一番である。毎日少しずつやるためには、その行動を習慣としてしまえばいい。

寝る前に歯を磨かないと何だか気持ち悪く感じるのと同じようにして、それをやらないと落ち着かない、すっきりしないみたいな風に持っていければベスト。

そう考えて、年初に目標を作ってから習慣化に関する本を仕入れて読んでいた。

ほとんどタイトルだけを見て買っていったのだが、購入した中に「3週間続ければ一生が変わる」(ロビン・シャーマ著)という本があった。

とても惹かれるタイトルである。3週間とは約20日。20日続けられれば習慣化できるというのは一つの定説でもあるし、さらに「一生が変わる」というのもそのとおりだと思った。

「これは習慣化へのモチベーションアップに期待できる」そう考えて、早速読み始めてみたのだが、まてまて、何だか内容がおかしい。

確かに前半の章の一つに「最初の二十一日間を乗り切る」といったものがあり、物事を習慣化するためのヒントも記載されている。

しかし内容全体の印象としては習慣化するための方法というよりも、もっと広いテーマで人生全般を良くしていくための考え方の紹介というものだった。

優しく丁寧に「こうしてはいかがですか、もっと生活が良くなりますよ」と読者へ話しかけるように色々な提案がなされていて、これはこれでおもしろく思って読んだのだけど、なんかおかしい。タイトルの「3週間続ければ一生が変わる」とはあまりリンクしないような気がする。

そう思ってはたと気づいた。これは海外の本だった。ロビン・シャーマはカナダ人である。なのでこの本はもちろん母語である英語で書かれているだろう。翻訳した邦題とは別に、原作のタイトルがあるのだ。

表紙を見てみれば「Who will cry when you die?」と小さく書いてある。これがおそらく原作の題名だろう。

これを訳してみれば、「あなたが死んだ時、一体誰が泣いてくれるだろう?」となる。全然、邦題とは違うではないか。

そして内容をもう一度ぱらぱらとめくってみれば、「あなたが死んだ時、一体誰が泣いてくれるだろう?」の方が圧倒的にしっくりくる。

この本は、「3週間続ければ一生が変わる」というような習慣化を紹介する本ではなく、「あなたが地球からいなくなった時にたくさんの人が悲しむような、そんな人間になろう」といった自己啓発ど真ん中の本なのである。

なんというかおそらくこういうタイトルにするのは、出版社の人がより売れるようにと思ってやっているのだと思うのだけど、内容をミスリードするようなことをされると本当に困る。

これから海外本を買う時には、日本語名ではなくて原作のタイトルを確認したいと思う。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。