自分で作れば、目が覚めるほど美味しい

朝起きてから毎日やることに、コーヒーを豆から挽いて淹れることと、何種類かの果物をジューサーに掛けてフレッシュジュースを作ることがある。

このどちらも結構面倒なことで、それなりに時間が掛かる。コーヒーにしろジュースにしろ、何もこんなふうに時間を掛けて作らなくても、スーパーやコンビニに行けば出来合いのものが売られている。味も美味しいものばかりである。

しかしもう自分は、そういったものをコンビニとかで買おうという気が起こらなくなってしまった。

なぜかというと、自分で作ったものとパック詰めされて売られているものとは美味しさの次元が全然違うからだ。

同じ種類のものを口に入れるのなら、もちろん少しでも美味しい方がいいし、しかもその差が圧倒的であればそこに選択の余地はなくなるのである。

モノをつくったり売ったりするときにはリードタイムが掛かる。リードタイムとはつくってから納品までに掛かる時間のことを言う。一般的にはこのリードタイムを短くすればするほど、消費者の満足度は向上する。

食品の場合であれば、リードタイムの短縮は新鮮さへつながるので、製造工程や流通などはその部分にも努力を向けることとなる。

でも早い話、自宅で手作りをしてしまえばリードタイムはゼロである。豆を挽いてコーヒーを作ったらすぐに飲むことができる。もちろん美味しい。

フレッシュジュースも搾りたてのものをすぐに口に運べる。これもまた、目の前の景色すべてに感謝したくなるほどに美味しいのだ。

出来合いのものはとても便利ではあるのだけど、便利さと引き換えに犠牲にしていることが必ずある。その犠牲にしているものが「美味しさ」であれば、やはり少々の面倒さはあるものの自分で丁寧に作っていきたいと思う。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。