これまでのiPhoneは高すぎる

昨日の深夜、Appleの新商品発表イベントがあり、事前の予想通り、iPhoneの新しい4インチ版のiPhoneSEが登場した。

サイズは基本的に5sと同じになっているが、性能面で6sと同じぐらいのパフォーマンスを実現していて、A9チップ搭載、カメラが1200万画素にアップ、Live Photosにも対応している。

お値段は、16GBが52,800円(税別)で、64GBが64,800円(税別)。

iPhoneSEの発売に伴ってiPhone5sは販売終了となり、Appleのウェブサイトからもその姿を消している。

ほぼ同一スペックでサイズ違いの3機種が登場したこととなる。その3つを価格面で並べてみる。

スクリーンショット 2016-03-23 7.39.17
こうしてみると、今回新しく登場したSEくらいの価格が、携帯電話としてみれば一番買いやすい値段のように思える。

一方、並べてみて際立つのは6sや6sPlusの高価格だ。6sPlusの最高スペックで、税込13万オーバーにもなる。13万といえば、13インチのMacBook Airよりも高額ということだ。

この値付は原価や流通コストなどから算出したものではないように思う。

MacBook AirとiPhoneを比較してどちらがよりAppleへ収益をもたらすかといえば、それはもう断然iPhoneである。

MacBook Airを一度買えば、少なくとも2年は使うことになる。2010年から見た目的にはほとんど変わっていないので、スペックに不満がなければ買い換える理由がないのである。

それがiPhoneの場合、ほぼ毎日手にしている携帯電話だけあって、少しでもデザインの変わった新しい機種が登場すると目移りがしてくる。性能的に大した差がなくても、好きな人であれば新製品が出る度に買い求めるだろう。

なので買い替えのサイクルの短さからいって、AppleにとってはiPhoneの方が大きな収益を上げる商品なのである。

そういう考えをもとに、iPhoneに関してはサイズ違いでラインナップをこれでもかと揃え、さらに最高スペックはラップトップよりも高い値付けにする。これらは会社の利益を上げるための戦略としてはとても正しい。

しかし思うのだけど、SEという高性能で安価な端末を出すことで、世界のiPhoneファンはこれまでの高価な値付けに違和感を持つのではないか。

数あるスマートフォンの中でも、iPhoneは特別な存在だからと許された値付けなのに、そこに新しく安価な商品が出てくると「改めて冷静に考えると、ちょっと10万オーバーは高すぎるよな」と目が覚めてしまうのではないか。

秋口にはインパクトの高いiPhoneを出さないと、みんな値段の安いiPhoneSEに流れてしまう、そんな気がした今回の新製品発表会だった。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。