「ご丁寧に」は皮肉を含んでいる?

2016-05-20 7:43

普段何気なく使う言葉に「ご丁寧に」というものがある。こちらの期待以上の丁寧さで物事をやってくれた時に、感謝の気持ちを込めて使う言葉である。

でも「ご丁寧に」という言葉には、皮肉が混じっている気がどうしてもしてしまう。

「そんなに丁寧にやる必要なんて全然なかったのに、それはそれはご丁寧にありがとうございました」みたいなニュアンスを感じてしまう。

なので、使う時には少し躊躇してしまう。別の似たような意味の言葉はないか考えてみるのだけど、「ご親切に」ぐらいしか思い浮かばない。

しかし人によっては、「ご親切に」も「ご丁寧に」と同じように皮肉のニュアンスを感じるかもしれない。難しいところである。

そもそもどうして「ご丁寧に」や「ご親切に」を使いたくなるかといえば、ただの「ありがとう」では済まされないくらい、何かをやってくれたのである。

そして問題は、「そこまでやる必要なかったのに…」という「申し訳なさ」を含んでいるところにある。

申し訳なく思い「ご丁寧に」とつけているのに、それが皮肉と取らえられれば堪ったものではないではないか。

そうか、申し訳ないと思っているのならば、「ありがとう」にお詫びの言葉を添えれば解決するのではないだろうか。

例えば、「すいません、ありがとうございます」では、どうか。

なんか足りない。これは普通に感謝する時に使っている。

そもそもどうして「ご丁寧に」をつけるかといえば、自分が考えている以上のことをやってくれたという、「驚きの感情」が含まれているはずだ。だとしたら、感謝に驚きの言葉を添えればよいのではないか。

「びっくりしました。ありがとうございます」

これだと意味がわからないので、もう少し言葉を足してみる。

「ここまでやってもらえるとは思ってもいませんでした。びっくりしました。ありがとうございます」

長い。そして「ここまでやってもらえるとは」というのが、結局、皮肉のニュアンスを含んでいるように感じる。

そう考えると、すでに世の中に定着しており頻繁に使われている「ご丁寧に」という言葉しか適したものはないように思えてきた。

結局、歴史をくぐり抜けてきた言葉というのは、現時点でのベストなのかもしれない。


Category:生活

tags:



«
»