雑誌の落ち込みが止まらない

このブログで何度か雑誌の未来のことを書いているので、その流れで最新の情報を記しておきたい。

旧聞だが、先日、日本出版販売(日販)が2015年度の決算を発表した。ヤフーニュースなどに取り上げられたのでご覧になった方も多いかと思う。

参考サイト
女性ファッション誌の不振が影響、雑誌の売上が約32年ぶりに書籍を下回る

これによると、連結売上高は前年比3.2%減の約6399億円。中でも雑誌売上の下落幅は大きく、前年比9.9%の落ち込みだった。その理由として、創刊された雑誌数91点に対して休刊数がその倍以上の177点あったことが上げられている。

特に女性ファッション誌の落ち込みが顕著で、前年比11.8%減と二桁を超えている。ティーンズ誌が前年比7.7%減とそれに続く。

単純に女性誌とティーンズ誌の下げ幅が顕著なのであれば雑誌の売上を支えているのは男性誌やシニア誌、専門誌ということになるのだろうか。

これは一度習慣づいたことができたら、中々それを変えようとしない習性がよく現れている。保守的なシニア層は言うに及ばず、男性は女性に比べてお決まりのものができればそれを変えようとはあまりしない。毎週、キオスクで買っている雑誌があるのであれば、読むページ数が減っても惰性で買ってくれる。

それに比べて女性はシビアである。習慣というよりも、その時々のコスパで購入するかどうかを決定する。ましてや惰性という理由だけで継続的に金銭を払うということはしないだろう。男性に比べて圧倒的に財布の紐は硬い。

少し前であれば、それでも女性誌というのはよく売れていた。ターゲティングする層をファッションの志向によって細かく分け、男性には見分けがつかない差異を雑誌ごとにきちんと打ち出していた。

どうしてファッション誌が売れなくなったのだろう。これはファッション誌に限ったことではないのかもしれないが、

販売部数が落ちてきた → そのため広告出稿が落ちてきた → それに歯止めを掛けるため広告主に優位な記事を書く → 内容がつまらなくなる → 読者が離れて、さらに販売部数が落ちる → さらに広告出稿が落ちる

といった負のスパイラルから抜け出せないのではないか。雑誌の収益が広告に依存しているのは売上が落ちる以前からの話だけど、昔は雑誌や新聞、テレビくらいしか情報源がなかったからおべんちゃらの記事を量産しなくても広告はたくさんついた。

それがネットを始め消費者の志向が細分化してしまうと、情報の遅い紙媒体はその優位性を保てなくなる。その結果、「広告主に優位な記事」にどんどんと手を出してしまい、いわば有料の広告カタログのようになってしまった。

つまりこの状況から脱するためには、広告以外の収益を見出す必要がある。それは雑誌というビジネスモデルを根本的に変える必要があるということだ。

もちろんこの文章の結びにその新しいモデルを打ち出せるわけではないのだが、後5年もすれば雑誌は今とはまったく違った販売形態になっていると思う。