タイ旅行記 1-9 広大な敷地のワット・ポー

タイ旅行記の9回目です。

建物を出たすぐのところに観光客向けのマップが立て掛けてあった。試しに眺めてみたが、まああんまりよくわからなかった。やはり頼りになるのはグーグルマップである。

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起動させたままになっているグーグルマップを見ながら、ワット・ポーへと向かっていく。ものの5分ほどでそれらしき建物には着いたが、かなり敷地が広く高い塀沿いの歩道をひた歩くことになった。

歩きながらも車道からはタクシーやトゥクトゥクの運転手がしきりに声を掛けてくる。

何を言っているのかはわからないが、「あんた観光客だろう?歩かないで乗ってったらどうだい。安くしとくよ!」みたいなことを呼びかけているのだと思う。

目を合わせたら面倒だと思い、完全に無視しながら歩いていく。早くもまた疲れがぶり返してきていた。

憲兵らしき人が二人立っている門で、「ここから入れますか?」と聞いてみる。「いや、ここじゃない。もうちょっとぐるっと回ったところから入ってください」と告げられた。お礼を言って、さらに歩を進める。

ちなみにバンコクの街中では異様に軍人の姿を見た。それとも制服を着ているだけでただの警備会社の人だったのかもしれないが、タイといえば2年前の2014年5月に軍によるクーデターが起こった国である。

現在は民主政治が敷かれた国家として再び正常に機能していると思われるが、軍が大きな影響力を持っていることは確かである。

改めて調べてみると徴兵制も引かれているようだ。18歳以上の一般的な男子であれば原則、対象となる。

しかしそれだと対象者が多すぎることになるため、志願者以外はくじ引きによって決められるそうだ。

ようやく敷地をぐるっと回りこんで、ワット・ポーの入り口に来ることができた。料金はミネラルウォーター付きで100バーツ。ミネラルウォーターの引き換え場所はどこなんだろうと探してみたが結局、見つけられなかった。

ともかく中に入って仏像を眺めてみる。

時刻はようやく8時を過ぎたくらいで、まだ観光客はまばらである。おそろしく広大な敷地はいくつものエリアに分かれていて、それぞれに立派な寺院と仏像が陳列されていた。

タイという国が仏教に対してどれだけ多くの資金と時間を投資しているかが、この建物を見るだけで十分に感じられる。

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一つ一つを見て回るとここだけで一日が終わってしまいそうである。最初はゆっくり見ていたが途中からは早足になって、大きな涅槃像はどこだと探し始めた。もちろんすぐには見つからずに歩き回った挙句、ようやくそれらしき礼拝堂に到着した。

礼拝堂の前には英語で注意書きが書かれていた。なんだろうと読んでみると、「仏像のタトゥーを身体に入れることは、仏陀を侮辱する行為です」みたいなことが書かれてあった。

西洋の人にしてみれば東洋の神秘的なアイコンとして仏像のタトゥーを入れているのだろうけど、国民の90%以上が仏教を信仰しているタイの人にとってみれば、相当違和感のある行為なのだろう。

多くの外国人観光客が訪れるこういった場所に、そのことについての大きな注意書きを置くことにその意志が表れている。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。