タイ旅行記 1-17 一周してスタバに到着

タイ旅行記の17回目です。

近づいてきた別の運転手はトゥクトゥクの運転席に備え付けてあるクーラーボックスを開けて、中から冷たい氷水を取り出しコップに入れて飲み始めた。

なるほど、トゥクトゥクの運転手はどうやって水分補給するのだろうと思っていたが、運転席に冷えた水が常備されているのである。

氷水を飲み終わると僕の方へ顔を向け、「市内観光かい。そりゃいいね。グッドだ」みたいなことを言い、運転手のお兄ちゃんへ会釈をして元の場所へと去っていった。

一体何なんだろうと不思議な思いがしつつ、「じゃあ、行くよ」とトゥクトゥクは再び発進した。

しばらくして今度はショップが程よく密集しているエリアへと出た。小洒落たカフェや飲食店が石畳沿いに立ち並んでいる。高級志向のエリアのようだった。

その入口にトゥクトゥクは止まりお兄ちゃんは後ろを向いて「ここはもう来たかい?」と聞いてきた。初めて来る場所である。「いや、ない」と答えると、「待ってるから見てきなよ」と話してくれた。

高級志向とはいえ普通にお店が並んでいるだけなので、それほど見たい感じでもなかったが、まあ言うとおりに一周見て回ることにする。

トゥクトゥクを降りて石畳をまっすぐに歩いて行く。突き当りにはチャオプラヤ川があり、ベンチがいくつも備えられていた。そこで観光客らしき人たちが自撮りをしたり飲み物を飲んだりしている。そのすぐそばにはスターバックスコーヒーがあった。

一通りの道を歩いてもそれほどおもしろいものはなかった。日本でもよく見るようなオシャレな感じのお店が並んでいるだけである。5分ほどで一周してしまったので、待っているはずのトゥクトゥクへと戻ってみた。

まあだいたい予想はしていたけども、「待っているから」と言っていたトゥクトゥクはどこにも見当たらない。新たに別のトゥクトゥクが数台、歩道に停まっていて客引きを始めだしていた。

ひょっとして別の場所へ移動したのかと周囲100メートルくらいを歩いてみたが、やはりあのトゥクトゥクのお兄ちゃんの姿はどこにもなかった。

「待っているから」というのを完全に信用したわけではもちろんないが、こうわかりやすく嘘をつかれるとやはり落ち込むものである。ここで体力とともに心もまた折れてしまった。

ともかく一旦、休んで態勢を立て直そうとお店に入って休むことにする。どこにするか考えるのも面倒だったので、先ほど見つけたスタバに入ることにした。

27259957394_fee72097f4_o

なんのことはない、ワット・プラケオからぐるっと周囲を一周りしてStarbucksへと連れて来てもらったような感じである。

冷房の効いたお馴染みの店内へ入り温かいラテを注文する。低いソファに身を完全に任せて、しばらく身体を休めた。

ちなみにこの文章を書いた後に、トゥクトゥクのお兄ちゃんが周遊したコースを調べてみた。

おそらくワット・プラケオから右回りにトゥクトゥクを走らせワット・アルンを対岸に見ながら通過。ワット・ポー沿いのどこかでトゥクトゥク乗りのたまり場に立ち寄り、StarbucksのあるThawipohon Alleyという通りまで来た感じだ。

map

確かに周遊してくれと頼んだのは僕なので、ルートを確かめると一周回ってくれたようである。距離にして2キロ〜3キロといったところ。これで100バーツは高いのか安いのか。おそらく高いだろう。

この時の正解は、乗る前にグーグルマップを見せて「ここからぐるっとこう回って、その後にここへ行きたい」とルートを明確にして料金交渉することだった。そうすれば、高額なプランを勧められたり置き去りにされるといったこともなかったかもしれない。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。