タイ旅行記 4-2 「ワイ」をしてお別れ

タイ旅行記の39回目です。

空港まではこのままバスに乗って1時間くらいの道のりだ。バスには程よくクーラーが効いていてとても快適である。

そしてアジアの運転手が皆そうであるように、このバスの運転手もまた目一杯アクセルを踏んで空港への道をひたすら走っていく。

ナビを起動しルートを確認していると、徐々にドンムアン空港へ近づいているのがわかった。空港がこのバスの終点なのかと勘違いしてそのまま何もせずに座っていると、車掌がブザーを押すよう教えてくれた。

気付かずに通りすぎてしまうところだった。「ありがとう」とお礼を言ってブザーを鳴らす。高スピードで走っていたバスはスピードを落とし、空港前の停留所で停車した。

空港へ入り、カウンターで搭乗手続きを済ませた。食事をしたかったがまずは中へ入ってしまおうと、手荷物検査を済ませ出発ロビーへと進む。

レストランが3つくらい並んでいるが、あいにくどの店舗も満員である。時間に多少の余裕はあったが、待つのはちょっと嫌だなあと思っているとマクドナルドを発見した。

マクドナルドへ最後に入ったのはいつだろう。もはや思い出せないくらい足が遠のいている。久しぶりに食べてみたい気になり店舗の中へと入ってみた。

マクドナルドもやはり人が多く、レジの周りには人だかりができていた。しかしよく見ると、注文カウンターは一人しか並んでいないようである。注文している白人男性の後ろについて待つことにした。

しばらくすると前の人がレジを離れ、自分の番が来た。レジを打っているのは10代後半くらいのタイ人の女の子だった。

ナショナルチェーンらしく日本でよく見るメニューがずらりと並んでいる。その中で“SAMURAI PORK BURGER”を頼むことにした。もちろんこれは、日本でいう「てりやきマックバーガー」のことである。

注文を告げ代金を払うと、お釣りを渡す際にレジの女の子は両手を重ね軽くお辞儀をして“Thank you”と言った。これはタイの挨拶の「ワイ」だ。ベッドメイキング時にチップを渡した時や飲食店の会計時にも係の人がこうしてお礼を言ってくれていた。

タイに滞在しているとこの挨拶が日常的なものに思えていたが、おそらく今回の滞在で「ワイ」を見るのはこれが最後になる。

自分も見よう見まねで手のひらを合わせ、“Thank you”とお礼を言いながらお釣りを受け取った。女の子はそれを見て笑顔を返してくれた。ひょっとして作法が間違っていたかもしれないが、笑顔にできて良かった。

出発時刻が来るまでの間に仕事のメールをひと通り片付け、「圏外になるためしばらく連絡が取れなくなる」と告げて電源を切った。この後、5時間もすれば日本での生活がまたスタートするのだ。

次に海外へ行くのはいつにしよう。まだまだアジアのどこかの国を回りたい。今年中に後、2カ国ぐらいいけるだろうか。

飛行機が飛び立ってからも、この先に訪れる新しい国へ向けての期待がどんどん膨らんでいった。(終わり)