2016年フジロック 初日「SIGUR RÓSと防寒着」

2016-08-16 8:57

ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRAを見終わったくらいで、少し頭が痛くなってきてしまった。雨が一度も降らない好天に恵まれたのは嬉しいが、直射日光を受け続けたのと適度なアルコールが重なり体調が悪くなってしまったのだ。

毎回、グリーンステージのメインアクトは必ず観ることにしているので、ここは一旦、テントに戻って体の調子を治そうと思った。

おそらく寝不足なのもあるのだと思う。折りたたみ椅子をそのままにし、ひょこひょこ歩いてキャンプサイトまで戻った。

昼過ぎに立てたばかりのテントの中へ滑り込む。山の陽はすでに暮れかけていて、テントの中は薄明かりさえ届かない。遠くで鳴るドラム音を聴きながら寝袋の上で目をつむっていたら、いつの間にか眠りについていた。

しばらくして突然目が覚めた。一瞬、自分がどこにいるのかわからなくなったが、「ああ、そうか、フジロックに来ているんだ」と思い出した。

暗闇の中、手探りでスマホを見つけ電源を起動させる。時刻は20時30分。21時からのSIGUR RÓSに間に合う調度良い時間だった。

テントから出て再びグリーンステージへと戻る。メインアクトらしくグリーンには多くの人だかりができていた。

人混みをかき分けながら置いてあった椅子の場所を探し、何とか戻ることができた。天気は幸い晴れたままだったが、夜になって急に空気が冷え込んできていた。防寒しないと寒くていられないくらいである。

毎年、フジロックに来る度に後悔するのが、この防寒対策である。

持ち物リストにはきちんと「防寒着」と書いてあるのだが、いざ荷造りの段になると「まあ荷物になるし、なくても大丈夫だろう」と入れるのをやめてしまう。そして夜の寒さを肌に感じ改めて後悔することになるのだ。

といってもないものはしょうがない。雨も降っていないのに雨合羽を着込んで少しでも寒さをしのごうと工夫をしてみた。まあペラペラな生地の雨合羽ゆえ完璧とは言えない。ないよりはマシな程度である。

当たり前のことながらそういうイチ観客の苦労など知るよしもなく、SIGUR RÓSは淡々と演奏を続けていた。実は初めて耳にしたのだけど、苗場から帰ってきた後に最もよく聴くバンドになった。

一言で表すなら叙情的ロック。

すごくわかりづらい感想で恐縮だが、演奏しているSIGUR RÓSも、それを聴く観客も、そしてそこに漂う空気も、ステージを包む森も、鳥も、虫も、すべてが一つの生態系であることを感じずにはいられない。そんな生命全体の「うねり」を感じさせるスケール感のある演奏だった。

願わくば、もう少し万全の体調で聴きたかったが…。しかしこの体調を崩す感じもまたフジロックである。身体の中に音楽の余韻を残しつつ、再びテントへ戻り眠ることにした。


Category:映画・音楽・本

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