2016年フジロック 最終日「電気グルーヴと原点」

最終日グリーンステージのオオトリは電気グルーヴである。

23時20分スタートと三日間の疲れがまさにピークといえる時間帯。しかし疲れは不思議となかった。「ああ、これで終わるんだな―」と淋しさが募るばかり。

そんなしんみりとした思いを吹き飛ばすかのように、石野卓球とピエール瀧が登場した。

一段上がった奥のDJブースに卓球が控え、ピエールはいつものようにステージをゆったりと歩く。「さ、散歩してるの?」と不安になったが、客を煽ったりボーカルを入れたりともちろんきちんと仕事をしていた。

レッチリ後の20周年を最後に締めくくるアーティスト。これは誰彼に頼めるものではない。頼まれる方もそんな大役をおいそれと引き受けられない。なので電気グルーヴで締めるというのは抜群な人選だと思った。

ベテランでパフォーマンスが高く、そして何よりフジロックの観衆から愛されている。

ヒット曲「N.O.」からお馴染み「富士山」へとつなぎ、深夜0時30分まできっちりとステージを終えた。

「あれ、Shangri-Laを演んなかったな?」と思ってみたら、アンコールに持ってきてくれた。ああ美しいメロディだ。この曲で今年のフジロックが終わるんだ。音や歌声や歓声が、生まれては苗場の自然の中へ消えていく。

アンコール二曲目のラストソングは「NIJI」。ステージのビジョンにフジロック各ステージの風景が映り、そこに虹が掛かっていく。いやー、なんというかこのダサくストレートな演出がハートを直撃する。

そうなんだ、こんなに三日間に渡り大変な思いをして、朝から夜中までしんどい思いもしながらそれでも苗場にこうしているのは、フジロックが好きだからなんだ。

自分がなぜ今この場所にいるのか、その「原点」を感じさせてくれる大満足のステージだった。

終演した後のグリーンステージにはいつものように「Power To The People」が流れ、大型ビジョンに「また来年!」の文字が登場。

出口ゲートまで歩いて行くと、「SEE YOU NEXT YEAR!!」に文字が変えられていた。

今年も早割でチケットを取ってから、あっという間に前夜祭の日が来てしまい、そして光の速さで本編の3日間が過ぎ去っていった。

毎年フジロックが終わると夏真っ盛りだというのにぽっかり穴が空いたような気持ちになってしまう。しかしもちろんこれで終わりではないのだ。伝説的ステージを自分の目で見られるよう、来年のフジロックを今から楽しみにしよう。

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