ミラーレス一眼の比較検討 富士フイルム篇

ミラーレス一眼の検討機種についての続き。

ソニーともう一つの候補は富士フイルムである。中でも9月8日(来週木曜)に発売が予定されている最新機種X−T2に注目したい。

スペックを確認すると有効画素が2430万画素。シャッタースピードは1/8000秒まで対応している。拡張感度設定を用いればISO100〜51200まで利用できる。写真に関しては十分な性能である。

また大きな特徴として、この機種から4K動画の撮影が可能となった。サンプル機を使っている人の記事をいくつか読んでんみたが、ものすごく鮮明でキレイである。4K動画のピクチャがそのまま静止画として十分使用できるくらいだ。

後は値段がお安いというのも大きな魅力である。今日現在の価格コムでの最安値は158,415円。これは昨日紹介したソニーα7R IIの半値以下だ。

レンズを一から買い直す必要があるのでトータル的にそれほど変わらないかもしれないが、この値段差に見合うくらい性能差があるとはちょっと思えない。

もちろん一つ大きな違いがあって、富士フイルムのミラーレス一眼はセンサーサイズがAPS-Cなのである。大きさにして23.6mm×15.6mmとなっており、これはソニーα7R IIのフルサイズ/35.9mm×24.0mmとは明らかに差がある。

センサーサイズが大きくなればそれだけ取り込める情報量が多くなるので、より美しい画質を得られるのは自明のことである。

と、一般的な考えからすればこの通りなのだけど、実は富士フイルムというメーカーはあえてAPS-Cのサイズにとどめているという。詳しくは以下の記事を読んでいただきたい。

FUJIFILM 上野隆さんに聞く、「FUJIFILMがフルサイズ一眼を作らない理由」

富士フイルムはフィルムカメラから完全撤退後にデジタルカメラ事業へ参入したため、ゼロから設計を開始することになった。

そのため、設計思想そのものをゼロベースで考えることができたのだ。その製作過程の中で、フルサイズではなくAPS-Cが自分たちが思うベストなカメラという考えに行き着いた。

なぜなら、フルサイズのポテンシャルを引き出すためには、大きく重いレンズが必要となる。それは同社が目指す「高画質・小型・軽量・堅牢」を合わせ持ったカメラではなかったのだ。

そのためカメラのボディやレンズのサイズを小さくできるAPS-Cのフォーマットを採用し、なおかつフルサイズに匹敵する画質を得る、そのことを命題として独自センサーとレンズを開発。

例えば他社メーカーのレンズであれば開放は周辺部の画質が低下するため1〜2段絞って使うが、富士フイルムのレンズは開放のままで隅々までしっかり解像することを目指したという。

詳しい説明はリンク先を読んでいただければと思うが、確かに富士フイルムのミラーレス一眼は画質が独特である。フィルムライクな味のある質感や色のりを見せながら、しっかりと鮮明さをキープしている。

フィルムとデジタルのいい所を合わせたような、印象的な画質を表現しているのだ。富士フイルムのミラーレス一眼愛好家はたくさんいるが、その人たちの意見の多くはその独特な色合いが好きだからというものである。

つまり富士フイルムを選ぶとしたら、そのカメラの色が好きかどうかというのが大きなポイントになりそうである。

そうは言ってもネット上の作例を見るだけでは本当のところはわからない。実際に自分の手元にカメラを置き何枚も写真を撮ってみないことには、その良さは伝わってこないような気がする。悩みどころである。

9月中には富士フイルムの他にも新機種を発表するメーカが出そうな気配がある。とりあえずもう少し各メーカーの動向を見てみて、今年中には何を買うか決めたいと思う。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。