villa collection 第10回公演「あしおと」を観てきました

2016-12-18 19:17

 


 

今日、舞台を観てきました。石川県を中心に活動している、villa collectionという男性二人のユニットです。開催場所は、金沢21世紀美術館のシアター21です。席に着いてからどんどん人が入ってきて、開始時刻には満員御礼となっていました。

 

感想は率直に言って、ものすごくおもしろかったです。villa collectionの舞台を観たのはこれが初めてです。正直、観る前は、「2人だけの芝居ってどんな感じなんだろう」と不安に思う部分がありました。「単調になって飽きないかな」と思ったんです。それが蓋を開けてみれば、展開に目が離せなくなりあっという間に終劇となりました。

 

ストーリーは結構、シリアスです。強盗殺人の罪で死刑囚が刑事施設に拘束されてきます。新しく担当となった刑務官は、その人物が幼馴染だったことに気づきます。冤罪という告白を聞き、何とか再審できるように手を尽くす。しかし、なかなか認められないまま月日はどんどん流れていき…。という感じです。

 

この死刑囚と刑務官のやり取りと並行し、狐と人間の昔話が舞台上で演じられます。舞台が進むに連れ、その物語は死刑囚が独房内で考えた作り話ということがわかってきます。死刑執行が近づくととともに、狐と人間の話も佳境へと近づいていきます。このパラレルの構造がかなりうまく機能していました。

 

独房内だけで完結するストーリーなら、どうしても息苦しく閉塞感が出てきます。それをタイミングよく昔話の設定へ移すことで、観客の興味を持続していきます。

 

90分の舞台のうち、最初の60分はコミカルな笑いあり下ネタあり、内容的にも徐々に希望を持たせワクワクさせながら引っ張っていく感じです。それが終盤30分は急展開、一気にシリアスへ舵を切ります。昔話のストーリーもそれに呼応し深刻な様相へと展開。伏線をどんどん回収していきつつフィナーレにはこの二つが見事に融合し、なんともやり切れない複雑な余韻を残し幕を閉じました。終盤30分には、観ながら涙が出ていました。舞台を観て泣いたのはこれが初めてです。

 

この公演は12/17、18の2日間しかやりません。金沢の規模から言うと、集客という面でこのくらいが妥当なのかもしれません。しかしこんな素晴らしい作品が、たった二回しかやらないとは非常にもったいないと感じます。今年残りわずかなところで、思いがけず素敵な体験をしました。

 


Category:映画・音楽・本

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