「強み」は「顧客の価値」になってこそ活きてくる

今日はとある企業さんへ行き、企業内研修の講師という仕事をしてきました。お題は「ウェブ時代の文章活用術」です。

質疑応答の時に、「検索でヒットさせるには、弊社の場合、どういうキーワードが考えられますか」というご質問を受けました。これはつまり、「自社の強みは何か」ということに言い換えることができます。そこでこちらから、「それは僕にはわかりません。自社の強みは何だと思われますか」と質問をしてみました。参加者一人ひとりに尋ねてみると、それぞれが会社の強みとすることを話してくれて、自然といくつかのキーワードが浮かび上がってきました。

これで一件落着、というわけではありません。こうして自社の強みを聞きながら思ったことは、「『自分たちが思う強み』だけではだめだよな」ということでした。

たとえ飛び抜けて強い部分があったとしても、それが顧客にとって価値をもたらさなければ、検索で調べようとは思いません。検索のキーワードとなるためには、「自社の強み」と「顧客の価値」が合致していないといけないのです。

こうして考えると、強みというのは非常にシビアなものだとわかります。例えば「自社の強みはなんですか」という質問をすれば、「チームワークです」という答えが返ってきたとします。これは一見、「なるほど」と思えそうな強みかもしれません。しかし顧客の視点に立ってみれば、チームワークが良かろうが悪かろうが、たいして問題ではないのです。

問題なのは、「その会社の製品なりサービスなりを使用した時に、どれだけ価値を感じられるか」です。一般的な市場において、「チームワークが強みです」というのは少々的はずれな意見と言えます。

ところがこれを就活市場、転職市場へ向けてみると話は別です。就職を考えている人にとって大切なのは、その働く場所の環境です。そのため就活生にとっての価値とは、製品の素晴らしさよりも、人間関係の良さにあるかもしれません。同じ強みであっても、市場が変わればそれは顧客にとっての価値へ変わるのです。

強みは、市場で支持を受けるために必要なものです。これは会社だけでなく、個人にとっても言えることだと思います。しかし強みを見つけることだけでは道半ば、それを顧客が価値だと感じなければ独りよがりのものになってしまいます。そのため強みを活かすためには、価値を感じるような見せ方に変えるか、提案する市場を変えるか、もしくは価値のある別の強みを見つける必要があるのです。

このことを質疑応答に答えながら改めて認識しました。