インタビューという仕事のおもしろさ

2017-03-07 21:16

 

 

最近、インタビューの仕事をたくさん行なっています。取材対象者のお話を聞いて、それを文章にまとめるというお仕事です。もちろん書き上げる文章には「読み手」が存在します。何でもいいからただまとめればいいというものではなく、読んだ人が面白いと思えるよう興味深いものにしなくてはなりません。

 

ここでひとつのテクニカルな問題が発生します。読み手がおもしろいと思うものを書かなくてはならない。しかし嘘を書くのはもってのほか、インタビューを受けた人(インタビューイ)が不本意な内容としてはいけません。つまり「インタビューイが満足する内容」という輪が一つあり、「読み手が面白いと思う文章」という輪が一つある。それら2つが交わる部分を狙っていかなくてはならないのです。

 

しかしむしろこの部分がインタビューというものの醍醐味だと思っています。こちらが手綱を握らずインタビューイの話したいように話してもらうと、内容はあっちへいったりこっちへいったりします。そのまま放置していては、文章の中へ浅い内容のものがいくつも詰め込まれることになります。色々な物事を詰め込んだ文章というのは、おもしろいものになりません。幕の内弁当と同じで、たくさんおかずがあって華やかに見えるけど、何が書いてあったか読み終わった後、印象に残らないんですね。

 

そのため話を聞いている時には、どこにポイントがあるか絶えず探っています。ポイントというのは2つの輪の交わる部分のことです。話を聞いている途中でその核となる部分が見えたら、文章のほとんどはできたようなものです。話を聞きながら構成を考え、文章を補足するための質問を重ねていきます。

 

そうしてインタビュー後、家に帰り、メモを元にして原稿を書いていきます。最近はどのような媒体でも掲載前に原稿チェックをすることが多いです。直接、もしくは版元を通して原稿のチェックをしてもらうわけですが、ここでインタビューイから感謝の言葉が出たなら、この原稿はうまくいったということになります。前提として、読者がおもしろいと思えるように書いているわけですから、さらにインタビューイも満足してくれるなら何の問題もないわけです。

 

しかし稀に、「自分の言いたいことが伝わっていない」と不満の声を聞くこともあります。僕はインタビュー中に必ずスマホを使って録音をします。聞き返してみれば、話した内容の通り文章へ落とし込んでいるはずです。なのにそういう不満が出るということは、僕がうまく話を聞き出せていないということになります。

 

これまでに数え切れないくらいの人の話を聞いてきて、それを元に文章を作ってきました。それでもインタビューは難しいな、まだまだだな、と思います。文章を書くのは、慣れればそれほど難しくありません。その2つの輪が交わるポイントを聞きながら探すこと。それは人によって異なるため、「これでもうインタビューは極めた」といった終わりがないんですね。そこがまた楽しいところでもあるんですが。

 


Category:執筆

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