インタビューイの望みと読者の関心の交わる輪

最近、インタビューの仕事をたくさん行なっています。

取材対象者のお話を聞いて、それを文章にまとめる仕事です。

もちろん書き上げる文章には「読み手」が存在します。
何でもいいからただまとめればいいというものではなく、読んだ人が面白いと思えるよう興味深いものにしなくてはなりません。

ここで、ひとつのテクニカルな問題が発生します。

読み手がおもしろいと思うものを書かなくてはならない。
しかし嘘を書くのはもってのほか、インタビューを受けた人(インタビューイ)が不本意な内容としてはいけません。

つまり「インタビューイが満足する内容」という輪が一つあり、「読み手が面白いと思う文章」という輪が一つある。
それら2つが交わる部分を狙っていかなくてはならないのです。

この部分が、インタビューの醍醐味だと思っています。

こちらが手綱を握らず、インタビューイの話したいよう話してもらうと、内容はあっちへいったりこっちへいったりします。

そのまま放置していては、文章へ浅い内容のものがいくつも詰め込まれることになります。

色々、詰め込んだ文章は、おもしろくなりません。
幕の内弁当と同じで、たくさんおかずがあって華やかに見えるけど、読み終わった後、印象に残らないんですね。

そのため話を聞いている時には、どこにポイントがあるか絶えず探っています。

ポイントとは、2つの輪の交わる部分のことです。

話を聞いている途中でその核となる部分が見えたら、文章のほとんどはできたようなもの。
話を聞きながら構成を考え、文章を補足するための質問を重ねていきます。

そうしてインタビュー後、家に帰り、メモを元にして原稿を書いていきます。

最近はどのような媒体でも、掲載前に原稿チェックすることが多いです。

直接、もしくは版元を通してチェックしてもらうわけですが、ここでインタビューイから感謝の言葉が出たなら、この原稿はうまくいったことになります。

前提として、読者がおもしろいと思えるように書いているわけですから、さらにインタビューイも満足してくれるなら何の問題もないわけです。

これまでに数え切れないくらい話を聞いてきて、それを元に文章を作ってきました。

それでもインタビューは難しいな、まだまだだな、と思います。

文章を書くのは、慣れればそれほど難しくありません。
その2つの輪が交わるポイントを、聞きながら探すこと。

それは人によって異なるため、「これでもう、インタビューは極めた」といった終わりがないんですね。

そこがまた、楽しいところでもあります。

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