写真に撮るのは、石川県の懐かしい気持ちのする景色

僕は石川県の金沢市に住んでいます。でも写真を撮りに行こうと思うと、金沢市内へ行くということはあまりしません。車に乗り込んでハンドルを握ると、知らずに白山市の方面へ車を走らせます。

そして白山市の少し奥まったところ、鶴来町や鳥越などののどかな街で車を停め適当に歩いて写真を撮ることが多いです。それは特に「自分はこういう写真を撮るんだ」と決めつけているわけではありません。気の向くまま撮りたいものを求めると、自然とそういうところへ足が向くのです。

写真と一口に言っても、その種類はものすごく多いです。人物を主体に撮るポートレイトがありますし、同じ人物でももっとラフに撮るスナップというジャンルがあります。人物が街中に溶け込んでいるところをそのまま切り取るストリートスナップというジャンルもありますし、雄大な自然を収めるネイチャーというジャンル、いわゆる静物を撮るスティル・ライフというジャンルもあります。

そんな中で自分が好きなのは、古びた街並みや風景の写真です。手付かずの自然でもなく、公園のような整備されたところでもない。人間が手を加えて数十年が経過しているような、古びた風景が好きです。なぜかそういうところへ行くと安心して、心が引っ掛かったシーンを写真に収めたくなります。

石川はそういう場所がたくさんあるので、被写体に困ることは当分なさそうです。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。