良質な余韻の残る、鈴木大拙館

今日は自転車に乗って、鈴木大拙館へ行ってきました。いつか行きたいと思いつつ、ずるずると延ばし延ばしにしていました。ようやく訪れることができました。

僕は石川県金沢市に住んでいます。金沢は全国的に見て観光都市になるかと思います。北陸新幹線が開通して、さらに観光客の人が増えました。

金沢へ初めて訪れたとしたら、どこに観光へ行くでしょうか。やはり兼六園と金沢21世紀美術館は行かれるかと思います。ひがし茶屋街も行くでしょうね。余裕があれば、にし茶屋街も。金沢城跡のお堀の周りを散策するかもしれませんし、長町の武家屋敷もあります。

初回のルートはこのくらいでおそらくお腹いっぱいになるでしょう。もし2回めに訪れることがあるとしたら、鈴木大拙館へ行かれることをおすすめします。今日初めて行ってみて、とても気に入ってしまいました。

場所は21世紀美術館から徒歩15分ほど。近くに中村記念美術館や石川県立美術館があり、散策路で結ばれています。鈴木大拙とは、金沢市出身の仏教哲学者です。日本の禅文化に精通し、著書を英文で書き海外へ禅の思想を広めました。アップル社のスティーブ・ジョブズも禅に傾倒していたのは有名な話ですね。

その鈴木大拙の思想や作品に触れるというのが鈴木大拙館の意図しているところです。この施設の一番の特徴は、その建築物にあります。一見、無駄とも思えようなスペースがそこかしこに見られます。建物のそばには、水鏡の庭と題された広い水面があります。建物に入れば、内部回廊という仄暗く細長い廊下があります。展示空間と学習空間を抜けると、水鏡の庭の横を通り、思索空間という水に囲まれたスペースへと出ます。

建物の内容はこれで終わりです。盛り沢山な展示物があるわけではありません。普通の足取りで歩けば、ものの10分ほどですべてを見れてしまうでしょう。それでもこの建物の中を歩いていると、禅の世界を肌で感じられるような気がします。

削ぎ落とされたデザイン、凛とした静けさ、思索にふけられる無駄な余白。その居心地のよさに、「これは癖になる」と思いました。また時間を置いてから訪れてみようと思います。

金沢は観光資源がたくさんある街です。色々と観光地巡りをして食傷気味になったなら、休憩がてら鈴木大拙館へ行ってみてはいかがでしょう。その独特で良質な余韻は、日常に戻ってからも残るような気がします。

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