マレーシア一人旅 2-7 目的地へ向かってない!

マレーシアの旅行記です。

タクシーに乗っているときも、グーグルマップは起動させたままにしていた。きちんと目的地へ向かっているか確認するためである。グーグルマップの目的地は、KLタワーに設定してある。そこに行きたいのだから、当然のことである。ところがタクシーは、表示されているルートとは逆方向へ走っている。「近道なのかな」と思ったが、そのまま画面を見ていてもKLタワーからは遠ざかるばかり。

これはおかしい。どう考えても、このタクシーはKLタワーへ向かっていない。しかしアプリにはKLタワーと入力したはずだ。どこへ行こうとしているのだろう。

不安な考えがどんどん頭を駆け巡る。そうこうしているうちにタクシーは賑やかなロータリーの一角で停車した。そして後ろを振り返り、「着いたよ」と笑顔である。グーグルマップで位置を確かめてみる。場所はどうやら電車の駅のKLセントラルのようだった。

ともかくGrabに表示されている金額を払うことにする。料金は5MYR(約130円)。タクシーを降りてから、Grabの画面をもう一度確かめてみた。目的地はKLセントラルになっている。つまりタクシーの運転手は間違っていないのだ。どうやら僕がKLタワーと入力せず、“KL”とだけ入力した時に検索候補に表示されたKL Sentralを間違えて押してしまったらしい。

いやはや、ようやくタクシーを捕まえられたと思ったら、今度は行き先の入力ミスをしてしまった。これはもう、今日はKLタワーを目指すのはやめよう。すっかり行く気がなくなってしまい、とりあえず駅の中へ入って適当なカフェで一息つくことにした。温かいコーヒーを飲んでこの後のことを考えた。

夜にはホテル近くの市場へ行こうと思っている。今はまだ午後3時過ぎ。市場へ行くには早すぎるが、どこか観光地へ行くにもその気力がもはやない。どうしようかと考えた結果、マッサージへ行くことにした。これまで香港、台湾、タイ、シンガポールと四カ国を旅してきた。よく考えてみれば香港以外の国では、すべてマッサージに行っている。旅行中は歩き回るので、足が疲れマッサージへ行きたくなるのである。

これはいい考えだと思った。それぞれの国のマッサージを比べられるし、足の疲れも癒やすことができる。言うことなしである。汗をかいたので一旦、ホテルへ戻ってシャワーを浴び、部屋の中で良さげなマッサージ店を探すことにしよう。

そう思い立てば善は急げで、コーヒーを飲み干した。ホテルへ向かうべくモノレール乗り場へと向かった。まだマレーシアに来て二日目だが、もう電車の乗り方には慣れてしまった。自動券売機で切符を買い、ガタガタと音を立てながら走るモノレールへと乗り込んだ。(続く)