マレーシア一人旅 3-3 送迎車に滑り込みセーフ

マレーシアの旅行記です。

食事が終わったところで、気を取り直してKLタワーを目指すことにする。グーグルマップを見ながら歩くこと5分。マップによると、ここからクネクネしたカーブの続く坂道となるのだが、フリーの送迎車がちょうど到着していた。運転手は僕の姿を認めると、「KLタワーに行くんだろ?早く乗りなさい」と手招きしてくれた。

車はライトバンで、すでに満員に近い人が乗っていた。少し詰めてもらい端の席に座ることができた。スライドドアを閉めると、車はすぐにスタートした。急勾配の上り坂をゆっくりとしたスピードで走っていく。

しかし危ないところだった。もう少し遅く到着していればライトバンは発車してしまっていて、歩いてこの坂を上ることになっていた。暑い中で、余計に体力を消耗するところだった。

およそ5分ほどで車は頂上に到着した。降りるとすぐ目の前はKLタワーの入り口である。タワーへ上る前に、フロアをぐるりと一周してみた。お土産物屋や飲食店がぽつんぽつんと並んでいる。

香港で同じように高いところへ来た時には、土産物屋の店員がものすごい勢いで客引きをしていた。それに引き換えマレーシアは今ひとつ商売に対して意欲がないのか、どの店の店員もスマホをいじるばかりで声をかけてこなかった。もちろん僕としてもその方がありがたい。

結局、特に入りたいと思う店はなかったが、スクリーンでビデオを上映している部屋が気になった。こぢんまりとした映画館のようである。席には誰も座っておらず、スクリーンには映像が誰に見せるともなく流れている。

せっかくだからと中へ入って、映像を見てみることにした。途中からだったが、内容はだいたい理解することができた。要はKLタワーの着工までのいきさつを説明しているのである。英語なので詳しい説明まではわからないが、プロジェクトXのような感じでいかにこのタワーを建てるのが大変だったかを、実際の映像を用いたドキュメンタリーで伝えてくれる。

工事が進むうちにタワーはどんどん高くなっていき、ついには完成を迎えることができた。完成式典はあいにくスコールに見舞われたようだが、マレーシアの要人らしい人がテープカットセレモニーをして映像は終わりを告げた。なかなか見応えのある物語だった。これを見てから上へ上がれば、一層、感慨深いものがありそうである。(続く)