マレーシア一人旅 3-5 オープンカフェで一休み

マレーシアの旅行記です。第一回はこちらになります。

送迎のライトバンに乗って坂道を下っていくと、坂の入り口のところで降ろされた。天気は相変わらずの炎天下。喉が乾いたので冷たい水を飲みたいが、日本のように自動販売機がそこらじゅうにあるわけではない。モノレールの駅へ戻ろうと、もと来た道を引き返した。

歩いているうちに、いよいよ喉の渇きが激しくなってきた。これは何か飲まないとヤバイと身の危険を感じ始める。そうはいっても都合よくカフェなどは見当たらず、結局はモノレールの駅付近まで歩いてきた。すると一軒のオープンカフェを見つけた。オープンカフェと書けば聞こえはいいが、見た感じはかなりボロい。中を覗くと客は一人もおらず、店員のおばちゃんがカウンターで昼食をとっているところだった。

もし営業中なら、ともかくここで休憩しようと中へ入った。おばちゃんが僕の存在に気づいたので、「飲み物だけですけどいいですか」と聞いてみた。おばちゃんは案外、愛想の良い感じで、「どうぞどうぞ」と奥の席を指差した。

オープンカフェなのでクーラーが効いて涼しいというわけでないが、喉を潤せるのはありがたい。奥へ歩いていき道路沿いの席に腰掛けた。

おばちゃんが近づいてきたので「アイスコーヒーをください」と英語で注文をした。するとおばちゃんは、「観光ですか」と日本語で聞いてきた。突然日本語が出てきたのびっくりしてしまい、「そうです!」と大きな声で返事をしてしまった。おばちゃんは笑って、「ご飯はいいですか?」とまたもや日本語で話しかけてきた。「ご飯はさっき食べたから大丈夫です」と返事をすると、おばちゃんはうなずいて厨房の方へと引っ込んでいった。

どうしてあの人は日本語が話せるんだろう?というか、どうして僕が日本人だとわかったのか。何だか不思議な気分でいると、しばらくしておばちゃんがアイスコーヒーを持ってきてくれた。「休んでいきなさい」と優しい言葉である。なぜ日本語を話せるのか聞いてみたい気がしたが、それほど流暢に話せる感じでもなかったのでやめておいた。商売柄、簡単な外国語は身につけているのかもしれない。

南国らしい甘いシロップの入ったアイスコーヒーを飲みながら、次に行くところを考えることにした。時刻は午後2時頃である。飛行場には夜11時までに着けば間に合うので、まだまだ十分に時間はある。

考えた末、最初の予定通り郊外にあるバツー洞窟へ行くことにした。KLタワーの最寄り駅であるRaja Chulan駅から電車を乗り継いでいけば、一時間半ほどで着きそうだ。到着は夕方4時くらいになるだろう。その後はKLセントラルにでも戻って、街を見て回ればちょうどいい時間になりそうな気がする。

次の目的地が決まったことだし、もう少しカフェでくつろぐことにした。日陰のテラス席には夕刻を予告する涼しい風がそよいでいた。(続く)