デジタル製品の進化の踊り場

仕事柄、パソコンは絶対に必要です。文章にしろ写真にしろ、納品はデータになります。それを送る手段は、メールかメッセ。

20年前に雑誌編集という仕事を始めた当初は、MOと呼ばれるディスクにデータを入れて、それをデリバリーし合うことでデータの納品を行なっていました。懐かしいです。

新入社員の自分はデリバリーぐらいしか能がなかったので、データの入ったMOを持って会社から会社へと届けに行っていました。

そんな時代は遠に過ぎ去って、今ではメールで即、送れます。大きなデータであっても、ドロップボックスに入れてリンクのみを送信すれば済みます。本当に便利な時代になってきました。

ということで、仕事でなくてはならないパソコン。僕は今、3台のパソコンを使っています。

デスクトップのiMac 27インチとラップトップのMacBook Pro 15インチ、同じくラップトップのMacBook 12インチです。

このうち一番古い機種がiMacになります。買ったのは2014年の年末でした。後数ヶ月で、丸3年使っていることになります。

一昔前であれば、3年もパソコンを使えば最新機種との性能差が圧倒的についてしまうところでした。進化のスピードが速かったため、常に最新機種を買った方が効率の良さで元が取れたくらいです。

しかし今は進化のスピードが緩やかになりました。使っている2014年版のiMacは5Kのレティナディスプレイです。CPUもIntel Core i5が乗っています。今、売り出されているiMacとさほど性能差がありません。

後2年くらいはこのiMacのままで戦えるように思えます。

そう言えば今年に入って買ったアップル製品は、今のところ元旦に届いたAirPodsだけです。

これも注文したのは去年の12月なので、正確には今年買ったとは言えないのですが。秋に新しいiPhoneが出ればおそらく購入するとは思いますが、Macを買い換えることもしないでしょうし、iPadなど他のアップル製品を買う予定もありません。

去年や一昨年などは何かしら新製品を買っていたように思いますが、今年はこれと言ってめぼしいものを購入せずに終わりそうです。

今年はたまたま、自分にとって買い替えのサイクルに入っていない年なのかもしれません。そう思う一方、もうそれほどアップル製品に惹かれないのではないかという気もしています。

アップル製品が好きではなくなったという意味ではなくて、仕事に差し支えなく使えるだけの水準のものを揃えてしまっているので、「何としても新製品を買わなきゃ」というような必要性を感じないんですね。

パソコンがどんどん高性能になっていき、スマホが登場し、スマホもまた年々良いものになっていく。

その循環の真っ只中にいる時は、欲しいものがたくさんあったように思います。それらが行き着くところまで行ってしまったので、触手が動かなくなってきたんです。

デジタル製品の進化の過程の中で、今はちょうど踊り場にいるのだと思います。

このまま新しいデジタル製品に魅力を感じないまま、日々を過ごしていくのは寂しいことです。

作る企業にとっては大変な話だと思いますが、「これはすごい。何があっても手に入れないといけない」とものすごく欲しくなるようなものが、これから先も出てきてほしいです。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。