突き抜けるには、「選択と集中」しかない

今朝、Facebookを見ていたら、おもしろいデータがシェアされていました。Apple、Google(Alphabet)、Microsoft、Amazon、Facebook、以上、テック系グローバル企業五社が「何で稼いでいるのか」をパーセンテージで表したグラフです。リンク先は以下になります。グラフ画像もこちらから引用しました。

Chart: Here’s How 5 Tech Giants Make Their Billions

これを見て興味深いと思ったのは、5社中4社が一つの項目で50%を超えていることでした。Microsoftのみが、ソフトやハード、サービスなど複数の項目に分散しています。

単純に傾向を分ければ、「分散か集中か」ということになります。特に顕著なのは、Facebookの比率です。収益のほとんどを、自社運営のプラットフォーム内の広告のみに依存しています。

GoogleやAmazon、Appleの売上比率も集中していますが、ちょっと趣が異なります。例えばGoogleも広告収益に依存しているモデルではありますが、検索やユーチューブ、Gmailなど表示する媒体は複数持っています。Amazonもプラットフォームに依存してはいますが、小売という中間業で利益を取っているサービスです。AppleのiPhoneは、モデルやカラーが細分化していますよね。

Facebookは自社が持っている2つのSNS(FacebookとInstagram)に表示する広告だけで、80億ドル以上の売り上げを年間叩き出しているわけです。これはなんというか、分散か集中かという議論をふっ飛ばすくらい恐ろしいことです。

分散も集中は両極端な議論ですが、企業経営ではどちらとも正論になりうる戦略だと思います。分散はリスクヘッジのために行ないます。一つの事業にリソースを集中させてしまうと、その事業がコケた時に会社が成り立たなくなります。投資においても「卵は一つのカゴに盛るな」という有名な格言があるくらいです。つまり分散とは、理性的な経営と言うことができます。

一方、集中はリスクが高いです。リソースを1点へ投入することで、その事業が結果を出せなかったり風評被害を受けたりすれば、一気に会社全体の売り上げがしぼんでしまいます。もちろんリスクを取ることで得られるリターンも大きいわけですが、集中させるためには相当の覚悟がいります。つまりFacebookは、FacebookもしくはInstagramが何かの拍子にユーザーからそっぽを向かれ売り上げが激減するリスクを抱えているんです。

80億ドルの売り上げですよ。通常の人間であれば、怖くて分散させます。それを自社プラットフォームの一本足打法で運営しているところが、狂気だと思います。

この5社を見てみると、経営者が創業者か否かという風にも分けることができますね。Google・Amazon・Facebookの三社はいずれも創業者が経営者ですが、AppleとMicrosoftはすでに創業者から次の人へバトンが渡されています。

創業者というのは「確固たる理念」を持って会社経営をする場合が多いです。そう考えるとGoogle・Amazon・Facebookの三社は、いずれも企業としてのメッセージはすぐに浮かび上がります。それは利用者ファーストということ。便利なサービスを提供することで、世界中の人々の生活をより良くしようという意志が感じられます。

一方、創業者から事業を引き継いだ場合は、どうしても守りに入ってしまいます。自分の代で売り上げや利益が落ちたとは言われたくないでしょう。そのため、理念の追求というよりも、売り上げの維持に腐心してしまいそうです。

Microsoftが収益を分散させているのはこのことからも何となく理解できますが、おそらくAppleもまた、この先収益源を増やすため事業を分散させていくように思います。こう考えると、「選択と集中」という経営の仕方は、机上の理論という見方ができます。わかっちゃいるけど、行動に移すのは非常に難しいんですね。裏返すと、突き抜けるためには、この戦略を取るしかないとも言えます。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。