佐渡島庸平さん「クリエイターが表現するものを探すには、壁打ちの相手が必要」

2018-01-27 21:51

今日はeAT金沢2018へ行ってきました。eAT金沢とは年一回の今くらいの時期、金沢へ著名なクリエイターが集まりトークセッションをするという催しです。

 

本当は午前中から行くつもりだったんですが、朝グダグダしてしまいまして午後イチのセッションから見ることにしました。

 

作家のはあちゅうさん@ha_chu、株式会社コルクの代表である佐渡島庸平さん@sadycork、クリエイティディレクター・コピーライターの小西利行さん@konishi_toshiyuの三人が言葉というテーマで語り合うというプログラムです。

 

小西さんは進行役ヘまわり、主にはあちゅうさんと佐渡島さんの2人が話をするという展開です。

 

はあちゅうさんは、紙媒体やウェブ上で作家・ブロガーとして活躍しています。佐渡島さんはコミックス担当編集者として講談社に勤務した後、クリエイターのエージェント会社であるコルクを設立しました。

 

つまり、はあちゅうさんは作家であり、佐渡島さんは編集者なわけです。

 

自然と話の展開は、はあちゅうさんはどのように文章を書きそれを広めているのか。また、佐渡島さんはどのように作家の良いものを引き出しているのか。

 

同じ本(媒体)づくりでありながら、作家と編集者という異なる立ち位置の視点から語られることになりました。

 

 

時間が本当に短く感じられるほど、すべての話がとても面白かったです。特に印象に残ったのは、締めに近い部分です。

 

はあちゅうさんは、1人で執筆と広報の両方をやっています。佐渡島さんがはあちゅうさんの担当になるとしたら、どのようにアドバイスするか、そんな質問が小西さんから出ました。その佐渡島さんの回答が興味深かったのです。

 

佐渡島さんから見ると、はあちゅうさんの作っている制作物の中では、ちょっともったいないと思えるものがあると。

 

クリエイターが何を発信していくかは、自分自身を深く堀らないと見つからない。なので、一人だけで考えるには限界がある。全幅の信頼をおいた、話を聞いてくれる壁打ちの相手が必要なんだと。

 

佐渡島さんはクリエイターが実際にモノを作り始める前段階に、かなり時間を掛けるそうです。どういうテーマを扱うべきかクリエイターと議論し、それを表現するのに適した方法は何かをとことん話し合う。クリエイターの内面の深堀りを共同作業で行うのです。

 

明確には言いませんでしたが、はあちゅうさんには深堀りする際の壁打ちの相手が必要なんじゃないかと。1人だけでその作業を進めていくのはやはり限界がある。だから、書いているものの中には、遠回りに思えるものもある。要約するとそういったことを話されていました。

 

 

それに関連する形で、佐渡島さんはこんなことを言いました。作家の平野啓一郎さんの言葉だそうですが、クリエイターはまず自分ができるものをやる、次にやりたいことをやる、そして最終段階としてやらねばならないことをやる、と。

 

食べるだけなら一段階のところにいてもいいのだけど、三段階目までいけるのが本当のクリエイターの姿なんじゃないかと。

 

この言葉は非常に響きました。できることばかりをやって、生活していくことも可能なのです。今の自分はできることをやり続けた後、ちょうど「次の段階へ行きたい」という欲が出ているところだよなあと。Instagramやnoteへ自分の時間を大量に投入しているのも、その模索段階なのです。

 

第二段階へ上ることができた後、次のステージである「やらねばならないこと」が少しでも見つかるのでしょうか。「やりたいことを十分やれた後には、その先の段階がある」そう信じて、続けていきたいなと思いました。

 

結局、はあちゅうさんたちの話だけを聞いて、会場を後にすることにしました。一日分のチケット代を払い、その1時間ほどのトークセッションだけを聞いて帰ってきたわけです。全く高いとは思いませんでした。聞いてよかったです。

 


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