読みやすく、読みやすく、読みやすく

この1年くらいで、文章に対する考え方がかなり変わってきました。ともかく書く際に考えるのは、「読みやすく、読みやすく、読みやすく」です。

それは文体だけではありません。余白を多く取るというのも必要だと思ってきています。

小説ばかり読んでいたころは、隙間なくぎっしり文字で埋めるのが好きでした。その方が読み応えあるし、知的に見えると思ったんです。余白だらけのスカスカの文章は、ページ数稼ぎに見えました。

紙しかなかったころは、それで良かったのかなと思います。でもテキストをウェブで読む人が増え、さらにスマホで読むのが当たり前になってくると、余白のない文章は負荷が高いです。

また、難解な言い回しを使うと、理解するのに何度も読み返す必要が出てきます。今の時代、文章を何度も読み返してもらうのは至難の業です。ほとんど不可能とさえ思えます。

つまり難しい内容のものでも、平易な言葉を使わないと読んでもらえなくなってきたんです。

そんなことを書きながらよくよく考えてみたら、作家の村上春樹さんは「ものすごく読みやすい」文体でデビューした人だと気づきました。

デビュー作の「風の歌を聴け」をめくってみると、細かいチャプターで文章を区切っています。余白もたっぷり設けています。

そして何より、文章がものすごく読みやすい。何度も繰り返し読み込まないと見えてこない複雑な構造の物語を、とても平易な文体で書いているんですよね。

今から40年前の小説ではあるんですが、読みやすい文章の先駆けだったんだなあと。そりゃヒットするはずですね。

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