シネマレビュー「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」

こんにちは。おもしろかった映画をご紹介します。「アバウト・タイム ~愛おしい時間について~」です。

主人公は21歳のイギリス人の男性です。ある日父親から、「私たちの血筋の男性には、生まれつきタイムトリップの能力が備わっている」と聞かされます。

ただし条件があり、タイムトリップできるのは過去へだけ。未来へ行くことはできません。

さて、皆さんがこういう能力を持ったなら、どうするでしょうか。おそらく何かしらうまくいかないことがあると、過去へ戻ってやり直して、修正していくのでは。この主人公もその通りのことを行ないます。

タイムトリップを駆使してステキな女性を射止め、かわいい子どもにも恵まれます。

幸せな中で徐々にタイムトリップの能力を使わなくなっていきますが、妹のトラブルをなんとかしようと再び過去へ戻ります。この時、過去を変えることで変更されてしまう一つの事実に気づきます。

無闇にこの能力を使うことはできない。そう思い知り、毎日を大切に生きるようになる。ざっくり書けば、こんな感じの物語です。

この主人公のキーマンは、彼のお父さんです。タイムトリップの能力を教えてくれたのもお父さんですし、過去へ戻りお父さんに会うと「ここで俺と会うのは初めてか?」と確認したりします。

誰しも人生は一度きり。でもこの親子だけは、映画の中で人生を何度でも体験することができるんですね。そして同じ能力を持っているからこそ、「普通の毎日を当たり前に繰り返すことの大切さ」をお互いがよくわかっています。

終盤に息子がお父さんへキスするシーンは、とても良い場面です。

過去を繰り返す映画といえば、ビル・マーレイ主演の名作「恋はデジャ・ブ」がありますね。

自分たちは過去へ戻ることができません。だからこそ、二度と来ない日々を大切に生きなくてはならない。でもその事実を知りながら、ほとんどの人が過ぎていく日常を何となく生きています。

こうした映画は、一度しかない今日という日を改めて気づかせてくれます。色合いも美しく、奥さん役のレイチェル・マクアダムスはキュートでした。良作です。


金沢在住のフリーランス・ライター。2014年より海外への一人旅をはじめる。これまでに訪れた国は16カ国。旅に使っているカメラは、2016年秋に亡くなった写真家の伯父・富岡省三氏のHasselblad 500C/M。